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前 ※前後編のくせに別物ってくらい話の雰囲気が違います 何か悪いことしてない、むしろ健気なゆっくりが残念なことになります なんかそんなんですが、良ければ読んでやってください ヘルニア(後) 「ゆっぐ・・・えっぐ・・・」 泣きながら家を目指す1匹のまりさ。 そのまりさは変わった事に、通常ゆっくりが行うように飛び跳ねての移動をせず、ずりずりとナメクジの様に這いのめいていた。 只でさえ遅いゆっくりの足、それに拍車をかけての鈍足である。恐怖と苦痛により、まりさの顔には焦りが伺われる。 「ゆぅ・・・・・ぐびゃあぁ!?」 焦れたまりさは一際大きく体を伸ばす。だがその瞬間、まりさの体に電流が走る・・・!! 金属により歪に圧迫された神経が、まりさの意思とは関係なく誤認信号を放つのだ。 「あびゃびゃ・・・がはぁ・・・!!」 そうして白目を剥き出し、全身を強張らせてまりさは悶絶した。 その衝撃は凄まじく、痛みの波が引いた後もしばらくは下半身が麻痺するほどのものであった。 そうやって進んでは止まり、進んでは止まりの牛歩の行軍を続けたまりさが巣に戻る頃には、辺りには夜の戸張が降りていた。 「おかえり、まりさ!きょうは おそかったのね・・・・・どうしたの?」 「ゆ・・・ゆぐ・・・ゆわああああぁぁぁぁぁぁん!!!」 出迎えたありすは、最愛のパートナーの態度に狼狽した。 この山最強を自称するまりさであったが、事実ゆっくり達の中ではかなりのもので、れみりゃ種どころかふらん種にも引けを取らない 程の運動神経と利口さを兼ね備えていた。そんな彼女が無様にもまるで赤子のように泣き叫ぶ光景は、ありすには信じられないもので あった。何とか咽び泣くまりさをなだめすかし、ありすは事の顛末をまりさから聞きだした。力なくポツリポツリと言葉を紡ぐまりさ の姿には、普段の自信に満ち溢れた力強さなど微塵も感じられず、絶え間なくありすの心を締め上げるのだった。 「ゆっくりりかいしたよ!それじゃあまりさ、ゆっくりがまんしてね!!・・・ゆんしょ!ゆんしょ!」 「いぎゅっ!?あびゃっ!?ありす、ゆっくりやめてね!!それいじょうするとしんじゃうよ!!!」 何とかしてありすは鈍く光る鉄板を取り出そうとしたのだが、時すでに遅くそれは完全にまりさの体に組み込まれていた。 ゆんしょゆんしょと引っ張る度にまりさは精一杯の悲鳴をあげる。手の施しようの無いことを知り、2匹は途方にくれるのであった。 「・・・ねぇありす、あしたまりさはゆっくりここをでていくよ。」 「ゆゆ!?いきなりなにいうのおぉぉ!!?いたかったのは わるかったけど あんまりだよおぉぉぉ!!!」 「ゆっくりきいてね!!さっきは いたかったけど、ありすが まりさのことを おもってくれてたことは わかってるんだぜ? まりさは そんなありすのことが だいすきなんだぜ!」 「じゃあなんで でていくなんて いうのおおぉぉ!?」 「ゆぅ・・・まりさは もうまえみたいにとんだりはねたりできないんだぜ・・・。ここにすみつづけるとありすにめいわくかけるんだぜ。 だから、ありすには ほかのゆっくりと けっこんして しあわせになってほしいんだぜ・・・。」 「ゆうう・・・まりざのばが!!あり”ずはまりざじゃな”いどだめなんだよお”おおぉぉぉぉぉ!!!!!」 「ありす・・・・・」 「ありすがんばるから・・・!がんばるからいっしょにゆっくりしようよおぉぉぉ!!!」 眼前で思いの丈を叫ぶパートナー、そんな彼女を見てまりさも耐え切れなくなり、ついには2匹揃って泣き始めてしまった。 数分後、たっぷり涙を流し悲しみを洗いきった2匹は、いいムードに包まれてゆっくりその身を近づけて・・・ 「ゆぎゃあああああ!!!ずっぎりでぎないいいいぃぃぃ!!!!!」 愛を確かめ合おうとしたところ、腰痛によりまりさはすっかり不能になってしまっていた。 そんなまりさだが、ありすは愛想をつかすことなく、朝まで優しく寄り添っていた。 「それじゃいってくるね、まりさ!!」 「ゆっくりいってらっしゃい!!」 翌日から、2匹の生活は一変した。 これまでは運動神経のよいまりさが狩りに出ていたのだが、こうなってしまった以上ありすが狩りに出かける事となった。 一方のまりさは自室に篭りきり、腰の養生に時間を割く毎日となった。ありすが狩りに馴れてないこともあり、以前のように大量の食料が 確保できず、また質のほうも苦い草など散々なものであった。だが2匹は幸せだった。 梅雨 「ゆっくりしーしーするよ、ぺーろぺーろ・・・」 「ゆぅ・・・・・ごめんねぇ・・・・・」 ありすはまりさの下腹部を舐めてやり、排尿行為を行為を促してやる。雨が続き湿度の上がるこの時期、体内に過剰にたまった水分をゆっ くりは尿として排泄し、自身の水分バランスを調節する。成体となったゆっくりは本来自分の意思によって行うことが可能なのだが、腰を 患ったまりさにはそれが不可能であった。そこで定期的に、親が子にしてやるようにありすがまりさの排泄口を舐めてやり、排尿を手伝 ってやる必要があった。長雨の続くいま、外へ出られない日々が続き食料も不足した。看病疲れも合わさって、ありすはひどくやつれて しまった。まりさはそんなパートナーと、ただ負担にしかなれない自分に苦しんだ。 夏 長い雨も終わり、辺りは生命の活気に満たされた。介護の負担の減少と、食料の確保が充分に出来るようになったため、ありすは以前の 気さを取り戻し、それに応えるようまりさの容態も幾分ましになっていった。流石に飛び跳ねることの出来ないものの、リハビリも兼ね て巣の周辺を散歩することも多くなった。もっとも、夏の日差しや熱せられた地面に鉄板が触れるたびに、まるで餡子が焦げ付くような 苦痛に襲われるため、とてもゆっくり出来るようなものではなかったが。 「こんにちは!ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」」」 ある日、散歩に出かけた2匹はとある一家と出合った。たくさんの子供達に囲まれて楽しそうな母、子供達の方もやさしい母に愛を注が れ毎日が幸福でいっぱいと言わんばかりだ。 「ゆっくりしていってね!あかちゃんたち みんなかわいいね!」 そう言って優しく微笑むありすの目には、どこか淋しそうな光が浮かんでいた。 まりさはそれに気付き、またもや心が痛んだ。 秋 「これでゆっくり ふゆをこせるね!まりさの からだも よくなってきてる しよかったね!」 「そうだね!ふゆがおわって はるになったら あかちゃんつくろうね!」 巣の中でたっぷりの食料に囲まれた2匹はホクホクである。これだけあれば越冬中に尽きることもない。 鉄板が馴染んだのか、まりさの腰も大分良くなっていた。 冬が明けて暖かくなったら子供をたくさんつくろう、そして、今年の分を取り戻すくらい幸せになろう・・・。 そう話す2匹は希望に満ち溢れていた。きたる幸福な未来を思い、自然と笑みがこぼれる。 そんなささやかな幸せ、それは突然の来訪者によって脆くも崩れ去った。 「うー!おいしそうなおまんじゅうだど~♪」 「みんなでなかよく ディナーだど~♪」 「「「れみ、りあ、うー♪」」」 巣の入り口には中を覗き込む3匹のれみりゃの顔があった。 以前のまりさであれば充分撃退できる程度の相手、だが手負いの体にはあまりにも強大な相手であった。 他に出口はなく、今から掘っても間に合わない。万策尽きたか・・・まりさは観念しその身を委ねようとした。 「・・・まりさ、ずっとあいしてた。いままでありすとゆっくりしてくれてありがとう。」 「ありす・・・?」 「こどもはできなかったけど、とってもしあわせだったよ。あたたかくなったら あたらしいおよめさんをみつけてね。」 「さっきからなにいってるの?さっぱりわからゆっぐ!!?」 突如ありすはまりさを巣の奥へと突き飛ばし、自身はれみりゃの待つ出口へと躍り出た。 「ゆぅ・・・う!? ありす、なにしてるの!!?」 ありすは振り向かない。そして、冬篭り用に積んであった資材に激しく体をうちつけた。 「うー?これじゃなかのまんじゅうがたべられないんだどー?」 「でも1こでてきたんだど~♪」 「それもそうだど~♪それじゃみんなでたべるんだど~♪」 駆けつけた入り口は完全に閉ざされており、その向こうからは耳障りなれみりゃの声が聞こえる。 まりさは必死に扉を打ち破ろうとするも、弱った体ではそれは叶わなかった。 「「「いっだだっぎま~すだどぉ~♪」」」 「ぐっ!!?」 くぐもったありすの声が聞こえる、必死に叫びを堪えているのだろう。 「うまうま~♪1個しかないから ゆっくりあじわってたべるんだど~♪」 「おじょうさまは がつがつしないんだど~♪」 「・・・・・!!・・・・・・!?」 ありすにとっては死刑以上の宣告である。それでも必死に悲鳴を噛み殺す、だがもはや限界であった。 「・・・いぎゃああああぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!??? いだい”いいぃぃぃぃぃぃ!!!!!」 「うるさいおまんじゅうなんだどぉ~♪」 「じにだぐないぃ!!じに”だぐな”い”よ”お”お”おおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」 「でぃなーはしずかに たべるもんだど~♪」 「だずげでええぇぇぇ!!!だずげでま”り”ざあああぁぁぁぁ!!!」 「ここには まりさなんていないんだど~♪」 まりさには聞こえていた。 悲痛な声で叫ぶ愛しいありすの絶叫も、耳障りに笑うれみりゃの声も。 その全ての一言一言が、まりさの心を大きく深く切りつけていった。 両の目から一生分とも思える涙を吐き出しながら、全身全霊の体当たりを行うも扉は無情にも開かない。 心も体も擦り切れんばかりになった頃、外はもう静かになっていた。 「う~♪おいしかったんだど~♪」 「おうちかえって おひるねするんだど~♪」 満足したらしいれみりゃ達の羽音が遠ざかっていく。 それを聞き、全てが終わったことを理解した瞬間、まりさの心は砕け散った。 (・・・ねぇ、まりさ。きこえてるかしら?) 何やら聞こえるが意識がはっきりせず、言葉の意味が理解できない。 (わたしはしんじゃったけど、わたしのぶんまでながくいきてしあわせになってね) 聞き覚えのある声だ、いったい誰だっけ? (それじゃあ・・・ゆっくりしていってね!) そうだ・・・そうだった、この声は 「ありす!!」 跳ね起きたまりさは、割れんばかりの声を張り上げる。 だがその声に返すものは何もない。 暗い穴の中、まりさは声が出なくなるまで叫び続けた。 冬 「むーしゃ・・・むーしゃ・・・・・」 穴の中には力なく餌を食むまりさが1匹。 その姿に覇気はなく、生きているのかすら疑わしい。その姿は幽鬼のようであった。 「ごちそうさまでした・・・」 一人呟き食事を終える。まるで誰かに報告をしているようだ。 まりさにとって食事は楽しいものではなく、ただの義務でしかなかった。 最愛のパートナーの最後の言葉、それは生きて欲しいと言う願いであった。 正直なところまりさは生きたくなかった。一刻もはやく彼女の後を追いたい気持ちばかりであった。 だが、それを彼女は喜ばないであろう。命を賭してまでの彼女の願い、それはまりさを縛り続けた。 ああ、今日も寒さが染みるなぁ・・・そう考えながら、まりさは冷えて疼く腰をかばいながら床へとついた。 冬が明ければ少しはましになるか、そう考え眠るまりさの夢は今日も変わらない 夢の中でありすが告げる、ゆっくり生きてと・・・ 春の訪れはまだ先だ。 やっと終われ 作者・ムクドリ( ゚д゚ )の人 このSSに感想を付ける
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※肉体イージー虐待、精神ハード虐待 ※虐待される一方で虐待されず幸せになるゆっくりがいます。 ※前半持ち上げ、後半叩き落します 【マタニティゆっくり】 「む~しゃむしゃ、しあわせ~♪」 一匹のゆっくりまりさが与えられた食べ物を食べてる最中にそう言った。 「こらっ、ものをおくちにいれながら喋っちゃ駄目でしょ。」 「ゆ~、ごめんなさい・・・」 傍にいる女性に行為を咎められ、まりさはそう謝った。 「しあわせ~、は ごはんがすんでからよ。わかった?」 「ゆっ!ゆっくりりかいしたよ~。」 しばらくして食事が終了した。 「む~しゃむしゃ、ごくん。しあわせ~。」 「ごちそうさま。」 女性はそういうと、床のゆっくりの食器と机の自分の食器を持って台所へと行く。 そして台所で食器を洗い片付ける。 一方、まりさはと言うと食後の余韻に浸ってだらしなく、ぐて~っその場に身を沈める。 ・・・ではなかった。 「おねえさん、まりさもてつだうよ。なんでもいって。」 ゆっくりらしからなぬ殊勝な申し出をする。 「ありがと、まりさ。でも大丈夫よ。今はまりさにしてもらうことないから 奥でゆっくりしてなさい。」 「でも・・・・・・・・・おねえさんはいま・・・・・・。わかったよ、おねえさんがそういうならゆっくりさせてもらうね。」 「ごゆっくり♪」 せっかくの申し出を断られ、なおも何か言いたそうだったまりさは 女性の厚意に甘え、それこそ本当にゆっくりらしくその場にぐて~っと身を沈めくつろぎはじめた。 食器を洗う水の音。窓から入ってくる木漏れ日と優しい風。 全身に広がる満腹感。まりさはゆっくりと幸せをかみ締めていた。 この女性と暮らすようになってからもう何ヶ月過ぎただろうか。 まりさは彼女が大好きだった。 食べ物をくれて甘えさせてくれるからじゃない。 この女性から与えられたことはたくさんあった。それこそ言葉では言い尽くせないほどに。 ─数ヶ月前─ 「この腐れ饅頭め、今日という今日は勘弁ならねぇぞ。」 「ゆううううう、はなしてね。ゆっくりしないではなしてねええええええええ。」 「いやあああああ、おねがいゆるしてえええええ。やあああああああああああああああああ」 「わからないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 「むきゅうううううう、だからはだげおぞうのなんでやめようっでいっだのにいいいいい。」 「ごべんなざいいいい、なんでもじまずからごろざないでえええええええええ」 数人の男達に抱えられ、畑荒らしの現行犯で捕まった十数匹のゆっくりたちは様々な悲鳴を上げていた。 そのなかには、今では女性と幸せに暮らしている、このゆっくりまりさもいた。 次々と透明な箱に入れられ、運ばれて着いた先は加工所だった。 「がごうじょいやあああああああああ、ゆっぐりでぎないいいいいいいいいいいいいいいい。」 畑荒らし仲間の内の一匹であるゆっくりありすが加工所を見るなりそう言って餡子を少し吐き出した。 かこうじょ。 その言葉を聞いてまりさは恐怖に怯えた。 今まで加工所に言ったゆっくりの話は仲間内から聞いてたがどれもゆっくりできる内容のものではなかった。 やれ拷問されて殺される、やれ発情ありすと無理やりすっきりされて殺される、髪飾りや帽子を取られ一生奴隷としてこき使われる。 虚言、憶測を含め“かこうじょ”はゆっくりの恐怖の代名詞となっていた。 そして今それを目の前にし、現実味を帯びてまりさの精神を蝕む死の恐怖に心の底から震え上がった。 いやだ。しにたくない。たすけて。だれかまりさをたすけて。まりさをたすけてゆっくりさせて。 だが、願えば願うほどに、今まで加工所から返ってきたゆっくりなどいないという現実が こんなときに限って回転の速い餡子脳の自分の頭の中に何度も突きつけられ、その奇跡の起こる可能性を消していった。 もう駄目だ。 恐怖の海でまりさは諦め、これから確実に訪れるあろう死に怯えた。 だが、死はやってこなかった。 一人の女性が自分を引き取ってくれたのだった。 崖っぷちのぎりぎりのところでまりさは拾われたのであった。 それが今まりさと一緒に住んでいる女性である。 それからは色々とあった。だがその内容を思い出せば思い出すほど、まりさは当時の自分を恥じ、そして怒りさえ覚えた。 命が助かったとわかった途端に開き直り、以前のような横暴な言動を繰り返した。 女性の叱責をうるさいとしか思えず、助けてくれたはずの女性に自分の要求のみを追及した。 今、自分がその時の女性の立場だったらそんなまりさを確実にボコボコしてただろう。 それくらい当時自分は最悪だったと思っていた。 だが、女性はそんな自分に決して諦めることも、見捨てることもなく 社会のルール、人間の世界での立ち振る舞いかたというものを教えてくれた。 時には厳しさもあった。体罰を受けることもあった。 でもその中には自分への優しさが必ず含まれていたのは今の自分はしみじみと思い出す。 そんな女性の献身のかいあってか、畑荒らしして加工所送りにされかけたことすらある、 このまりさは、今では飼いゆっくり並にゆっくり出来てる立派なゆっくりだ。 畑荒らしをしてたころの自分が恥ずかしく思い、そしてそんな教養を育んでくれた女性にまりさは感謝していた。 「まりさ~、やっぱりてつだってほしんだけど~、フィッツジェラルドとマイケルにごはんやってきてくれる~?」 「ゆっ!ゆっくりわかったよ。ゆっくりやるね。」 そう言ってまりさは即座に行動を開始する。 「いぬさん、ねこさん、ごはんだよ。ゆっくりたべてね。」 まりさが餌をやっているのは女性の家で飼われてて一緒に住んでいる犬と猫である。 「わんっ!」 「みゃ~!」 まりさは口の中で器用に開けた缶詰から取り出された中身を、餌別にフィッツジェラルドとマイケルの皿に出してやる。 二匹は出された餌に即座にかぶりつく。 「ゆっ、ぎょうぎわるいよ~。」 まりさがそう言っても聞く耳もたない。 人間と違い、言葉が通じないことを少しもどかしくなった。 はじめは「ゆっくりしていってね!」と言っても 「わん!」としか返されなかったことに発狂しかけたり(しないけど)、爪とぎ代わりにされたりもした。 しかし、今では言葉は通じなくとも同じ家で暮らす大切な家族。まりさはそう思っていた。 そしてもう一人増えるであろう家族の誕生を心待ちにしていた。 それは赤ちゃんである。 まりさの赤ちゃんではない。 それはまりさと一緒に暮らしてる女性の赤ちゃんである。彼女は今、妊娠中である。 まりさが最初にそのことに気づいたのは女性と一緒に暮らすようになって、4ヶ月してからのことだった。 横暴で傲慢だった性格も段々と矯正され、周りを見る余裕の出来た頃、女性のお腹が膨れていることに気づき、 そのことを聞いてみたところ、女性は自分が妊娠していることを教えてくれた。 自分のことにように嬉しかった。 自分を救い、色々と教えてくれた、一番大切な人に赤ちゃんが出来たこと。 まりさも赤ちゃんは大好きだ。なぜなら赤ちゃんはとてもゆっくり出来るから。 まりさもいつか赤ちゃんを作ってゆっくりしたい。そんな赤ちゃんが自分の大好きなお姉さんに出来た。 その日は一日中「ゆっゆ~♪あかちゃん~あかちゃん~、おねえさんのあかちゃん~、ゆっゆ~♪」と喜んで踊ってた。 ある日、まりさは女性と外出した。 しばらくすると、目の前からゆっくりが二匹現れた。どれもまりさが見覚えのあるゆっくりであった。 そして二匹ともまりさと同じように女性と、誰からも妊娠中とわかる女性と一緒にいた。 「ゆっ!ゆっくりしていってね。」 まりさの挨拶に 「「ゆっくりしていってね!」」 二匹のゆっくりが同時に挨拶を返す。 挨拶を返したゆっくりはそれぞれゆっくりありすとゆっくりぱちゅりー。 三匹は顔見知りだった。 なぜならその二匹のゆっくりは、まりさの野良時代からの親友であり かつてまりさと一緒に人間の畑を襲い、捕まり、加工場に送られたゆっくりだったのだから。 そしてまりさと同じように、人間に拾われ命を救われたゆっくりでもあった。 「ゆっ!ありす、ぱちゅりー、ひさしぶりだね~。ゆっくりしてた?」 「もちろんよ、まりさ。とかいはなありすはつねにゆっくりしてるものよ。」 「むきゅ~。ぱちゅりーもゆっくりしてたよ~。」 久しぶりの旧友との再会に話を弾ませる。 それは人間の方も同じで、偶然出合った女性三人も友人同士の話に夢中になっていた。 「むきゅ~、ところでまりさとありすのところのあかちゃんはまだうまれないの~?」 話の途中ぱちゅりーはそんなことを聞いてきた。 「ゆっ!ありす、にんっしんしたの?」 突然の問いかけにびっくりしたまりさは、ありすにそう問いただした。 「むきゅっ、ちがうわ、おねえさんのことよっ。」 「ゆ~、そっちのあかちゃんのことなのね。うん、まだうまれないよ。でもはやくうまれるといいね。ありすもそうおもうでしょ。」 「とうぜんね。おねえさんにあかちゃんうまれたら、ありすがとかいはのたしなみをおしえてあげるわ。」 「むきゅ~、たのしみね~」 三匹は再び他愛の無い会話をゆっくり楽しんだ後、女性達に促されてその場を後にした。 その夜、まりさはお姉さんと一緒にお風呂に入って髪を洗ってもらった。 「ゆっ、ゆ~♪ おねえさん、まりさのかみゆっくりきれいきれいにしてね。」 「はいはい。」 お湯ではすぐにふやけてしまうために、水でのシャンプーだったがまりさはさっぱりして満足だった。 やがてお風呂から上がると女性は言った。 「今日も帰り遅いみたいだから先に寝よっか。」 「そうだね。ゆっくりねむるね。」 遅い、というのは女性の妊娠の相手の男性のことである。 いつも夜遅く帰って昼ごろには出かけるために、まりさとは休日と朝以外に接する機会が無かったが その男性も女性同様優しかったために、まりさは彼のことが女性ほどではないにしろ好きだった。 やがて夜も更け、寝息と虫の声しか聞こえなくなったとき、まりさは妙なうめき声で目が覚めた。 何かと思い、声のする方を見て、まりさは声を失った。 隣で寝ていた筈の女性が額からは脂汗を流し、顔を普段の優しい面影など微塵も感じないほどに苦痛で歪ませていた。 まりさは何が起こったのか理解出来なかったが、直感で大好きな女性が危険な状態にあるのだと気づき、 全力で意識を冷静さを取り戻すことに集中させ、20秒ほどして自分を取り戻した。 まりさは女性に必死に何度も呼びかけたが、まともな返事は返ってこない。 女性の口からぼそぼそと何かが聞こえるだけである。 彼女が何を言おうとしてるのか、まりさは呼びかけをやめて、聴覚に意識を傾けた。 「・・・か・・・ちゃん・・・・・・う・・・ま・・・れ・・・る・・・あ・・・か・・・ちゃ・・・ん・・・・・・」 わずかに、かすかに聞こえるだけの女性の声。 一体何を言おうとしてるのか。考えた。一生懸命考えた。 持てる知識と知能を全動員してまりさは一つの結論に達した。 赤ちゃんが生まれる まりさは動転した。女性が赤ちゃんが生まれると知ったところでどうすればいいのかわからない。 だけど女性は今でも苦しんでいる。このままでは赤ちゃんを生む前に死んでしまうのではないだろうか。 いやだ。大好きなお姉さんが死んじゃうなんて耐えられない。助けたい。何としてでも。何かしなければ。 そうだ、自分の力で助けられないのなら誰かに助けてもらえばいいんだ。 女性を救いたいまりさは部屋を飛び出し、助けを求めた。目の前にいたのは廊下で寝ていた猫のマイケルである。まりさは必死で呼びかけた。 「ねこさん、たいへんだよ、おねえさんにあかちゃんがうまれるよ。ゆっくりしてないではやくたすけてね。」 「みゃ~。」 だがマイケルはまりさの必死の呼びかけにも普段どおりだった。それどころか寝ていたところを起こされ不機嫌そうでもあった。 「どうじでなにもじないのおおおおお、おねえざんがだいへんなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 叫んだ後で、まりさは猫には言葉が通じないことを思い出した。 「ねこさんじゃ、だめだね。おねえさんはたすけられないよ。ねこさんはなにもしなくていいよ。 おねえさんはほかのひとにたすけてもらうから。」 そう言って再び駆け出して、玄関の隅にある猫用のドアから外へ出た。そこで見つけたのは犬小屋にいる犬のフィッツジェラルドだった。 マイケルの時と同じように必死で呼びかけ、マイケルの時と同じように失敗に気付いた。 まりさはどうしようもなかった。自分には元からどうしようも出来ない。 自分以外の家族の猫や犬は言葉さえ通じず、お姉さんの危機を理解することすら出来ない。 このままではお姉さんが死んでしまうかもしれない。絶望に心が沈む。 でも、諦めるわけにはいかなった。猫にも犬にも言葉が通じない以上、今お姉さんの危機を知ってるのも、 誰かに助けを呼ぶことが出来るのは自分だけである。 まりさは門から飛び出し誰か助けてくれる人を必死で探し、必死で考えてた。 そして隣の家の玄関まで来て、大声で叫んだ。 「おねがいじまずうううう、おねえざんをだずげでぐだざいいいいいいいいいいい。」 弧を描がいた三日月が照らす真夜中に、何度も叫んだ。 留守かと思い、去ろうと思ったときに扉がガチャッと開いた。 「うるせぇぞ。今何時だと思ってるんだ!踏み潰されたいのか糞饅頭。」 扉から現れた人間の声と顔は怒りで満ちていた。 怒っている人間など、ここ最近見てなかったまりさは、恐怖に竦み、 野良時代に畑を襲ったときに、逃げ遅れた仲間が人間に踏み潰されていったのを思い出した。 自分の脳裏に仲間達と同じように潰されて死ぬ自分を思い浮かべる。 だが引くわけにはいかなかった。ここで引いたら何しにきたのかわからない。 大切な人を見殺しにしてしまったら、自分が何のために存在しているのかわからなくなってしまう。 まりさは身を潰すような恐怖の中、精一杯の限り叫んだ。 「づぶじでもいいでづううう、だがらおでえざんをだずげでぐだざいいいいいいいいいい。 あがぢゃんがうばれづんでずううううううううううううううう!!!!!」 「・・・・・・・・だったら望みどおり潰し───」 まりさは死を覚悟した。 「・・・・・・・・・なんて言った?」 「ゆ?」 「お前なんて言ったんだ?お姉さん・・・?赤ちゃん・・・?そう言ったか?」 「ゆううう!いいばじだぁ、あがじゃんうばれるんでずううう、おねえざんあがじゃん、うばれ、ぐるじぞう。」 「どこだ。あんないしろ。」 それからの展開は早かった。 助けを求めた隣の家の男性は、倒れてる女性を発見するなり即座に病院へと連絡をし、 しばらくすると駆けつけた医者とその見習い達によって病院へと運ばれていった。まりさも付き添っていった。 「か・・・家内はどうなったんだですか!?赤ん坊は・・・!!」 女性の治療の行われてる部屋の前で椅子に座ってるまりさの前に息を切らして男性がやってきた。 まりさと一緒に住んでいる女性と一緒に住んでいる人、要するに女性の夫である。 彼はまりさの前まで来て、あたり構わず周りの人に向かっては自分の疑問を叫び続けた。 「ゆっ!おいしゃさんがいまこのへやでおねえさんなおしてるよ。」 その疑問に答えたのはまりさだった。 男性はまりさの返答に答えず、黙って椅子に腰を下ろした。 どれくらい時間がたっただろうか。 扉が開き、中から医者が出てきた。 「先生!家内は・・・赤ん坊は・・・・・・」 医者は暗い顔で言った。 「母子ともに・・・大変危険な状態です。現在、最善をつくしておりますが・・・楽観は出来ません。 最悪どちらか、いえ赤ん坊を諦めざるえないことになる可能性もあります。」 「そんな・・・・・・結婚して8年・・・やっと子供が出来たのに諦めるなんて・・・・・・・・・・・・そんなこと出来るわけないだろ!」 「心中お察しします。我々も全力を尽くしますが・・・もしもの時の決断は覚悟しておいてください。」 医者はそういうと再び治療室の中へ戻っていった。 男性は頭を抱えてその場にしゃがみこんだ。 難しい言い回しはわからないまりさだったが、今の医者と男性の反応を見て主な内容はだいたいわかった。 それはまりさにとっても残酷な通知だった。 あかちゃんがうまれない。それどころかおねえさんもあぶない。もしかしたらおねえさんがしんでしまうかもしれない。 まりさの頭の中で自分にいつも優しく笑ってくれた女性の笑顔が崩れていった。 まりさは願った。女性が助かることを。赤ちゃんが無事産まれることを。 それは今まで生きてきた中で一番強い願い、加工場に捕まった時の自分の救命よりも強い願いだった。 おねがいします、おねえさんをたすけてください、 まりさのいのちをたすけてくれたおねえさんを、まりさにいろいろたいせつなことをおしえてくれたおねえさんを、 じぶんにたくさんのゆっくりをあたえてくれたおねえさんをたすけてください。 おねがいします、あかちゃんをたすけてください、 おねえさんがうまれるのをとてもとてもたのしみしてたあかちゃんをどうかどうかたすけてください。 たとえ・・・・・・ まりさがかわりにしんでもいいから・・・ おねえさんと あかちゃんを たすけてください・・・・・・・・・ どれくらい時間が過ぎただろうか。医者が治療室から出てきた。 男性はゆっくりとその顔を上げた。だが言葉が出なかった。 言葉が出せない。もし聞いて自分に残酷な現実を叩きつけられたら・・・。聞けない。何も。聞かなければいけないのに。 恐怖が男性を支配した。誰も何も言わない静寂の中、一秒が永遠とも言えるように感じた。 その静寂を破ったのは医者だった。 「・・・おめでとうございます。」 「・・・・・・・・・・・・え?」 「健康な男の子です。母子ともに異常ありません!」 しばらくの間の後、男性は大きくガッツポーズを取り、涙を流しながら叫んだ。 「危険な状態でした。私の長い医師生活の中でも上位に来るほどの。でももう心配いりませんよ。」 「ありがとうございます。ありがとうございます。先生。」 男性は泣きじゃくりながら何度も医者にお礼を言った。 その光景を見ながら、まりさも女性と赤ん坊が助かったことを知り、涙を流していた。 「それでは赤ちゃんのお顔を拝見したら、最後に奥さんにねぎらいの言葉でもかけてやってください。 申し訳ないですが夜遅いですし大変消耗してますので、今日のところは短めに済ませてくださいね。」 「はい、わかってます。・・・く~、やっとやっとうまれたんだな。俺もこれで父親かぁ~。」 男性はそう言って赤ん坊の顔をひとしきり眺めたあと、治療室から入院部屋へと移された女性に会いに言った。 赤ん坊の顔はまりさも男性に頼んで抱え上げてもらい見せてもらった。 産まれたばかりの赤ちゃんの顔はしわくちゃだが、そんなものでは覆せないほどの愛しさがまりさにもこみあげてきた。 「・・・あ・・・そういえば・・・・・・・・・」 男性と一緒に病院の廊下を歩いてると男性が突然足を止めつぶやいた。 そして視線をまりさに移しながら、こういった。 「・・・・・・そういや・・・もう生まれたんだしなぁ・・・・・・でも一応あいつの意見聞かないと・・・・・・ これでも結構長い時間過ごしただろうし・・・・・・ま、あいつに限ってないと思うが・・・・・・ っていうかどっちにしろ、規約で産まれたら一旦返却しなきゃいけないんだから同じことか。」 「?」 まりさは男性の独り言の意味がわからなかった。 女性の入院している部屋で男性は女性をねぎらった。 女性はベッドから起き上がることなく疲れきった顔で男性の言葉を聞いてた。 まりさも女性に出産の祝辞を送った。 「おねえさん、あかちゃんうまれてよかったね。とってもゆっくりできるあかちゃんだよ。」 まりさはこの次、女性が笑いながら「ありがと、まりさ」と言うと思ってた。 だが女性からの言葉はなかった。一瞥しただけで再び男性の方に向き直った。 まりさは女性が返事をしてくれなかったことに少し不満だったが 女性が酷く疲れているのが見てとれたし、そのためだと思い深く考えなった。 「こりゃ・・・聞くまでもねぇかな。」 男性がボソリとそう呟いたが、まりさには聞こえなかった。 「じゃ・・・疲れてるところわりぃし・・・先生にも言われてるんで今日は帰るな。明日は仕事を休ませてもらってくるわ」 男性が席を立った。まりさも帰るために椅子から飛び降りる。 「あっと・・・そうだ・・・・・・ま、一応念のために・・・・・・」 男性はまりさに顎で合図をし、言った。 「おい、まりさ。先に病院の玄関で待ってろ。俺もすぐ行くから。」 「ゆっくりわかったよ。へやのそとでゆっくりまってるから、ゆっくりしないではやくきてね。」 まりさはそういって部屋から出て行った。 まりさが病院の玄関で待ってるとしばらくして男性がやってきた。 「ま、わかってたことだけどね。」 そういうと男性はまりさを連れて家に帰った。 翌日、まりさと男性は家を出た。 まりさはお姉さんと赤ちゃんに会うためだと思ってが 男性に連れられて来たのは別の場所だった。 「ゆ?おにいさん、ここはびょういんじゃないよ。ここじゃおねえさんとあかちゃんにあえないよ。」 疑問を口にするまりさを無視し、男性は入り口で受付を済ませ、建物の中に入っていった。 病院じゃないと気付いたまりさであったが、数ヶ月前に来て以来一度も来たことなかったので ここが初めて女性と会った場所だとは気付かなかった。 加工場とは。 「それでは。確かに返却受け付けました。」 「お願いします。」 「もし今後この子を正式に飼いゆっくりにしたい場合は、一週間以内に引き取りに来てくださいね。 一週間以内なら優先的に、かつ割引料金で引き取れますんで。」 「どうも。でもそれはないと思いますよ。これからは育児で忙しくなると思いますからそんな余裕ないですし、 家内もあまり未練はないらしくて、昨日の夜あっさりと了承してくれましたからね。」 「ははは、そういう人に限って後から寂しくなったと言ってくるケース多いんですよ~。 それで他の人と競っちゃうことになって高くついちゃったとか。」 「ははははははは。うちのに限ってそれはないですよ。もう既に手のかかるかわいいのが二匹もいますし。」 そのようなやりとりの後、まりさは加工場の職員に引き渡された。 「ゆ?おにいさん。これからおねえさんとあかちゃん、あいにいくんでしょ。まりさゆっくりつれてってね。」 「いままでありがとな。お前さんとの経験を生かして立派な子供に育てるよ。お前も頑張れよ。」 職員の腕に抱えられたまりさのそのような呼び掛けに対し、男性は前後の繋がらない返事をし、帰ってしまった。 「おにいさん、まってよ。まりさもつれってね。おねえさんとあかちゃんのところつれてってね。 おじさん、まりさをはなしてね。まりさはおにいさんといっしょにおねえさんとあかちゃんのところにいくんだから。」 まりさは姿の見えなくなった男性を呼び続け、次に自分を抱えて離さない中年の男性にもそう言う。 だが既にこの場にいない男性はもちろんまりさの呼びかけに答えることなど出来ないし、 まりさを抱えてる中年男性もまりさの言葉を無視し、まりさを抱えたまま、歩き始めた。 「どうじではなじでぐれないのおおおおおおお。ばりざもおねえざんとあがぢゃんのどころにいぐのにいいいい。」 しばらくしてまりさは中年男性の手の中でとうとう泣き出してしまった。 自分は一刻も早くお姉さんのところに行って、お姉さんと赤ちゃんに会いたいのになんで邪魔されなければいけないんだろうか。 答えの出ないまま、まりさは泣き続けた。 まりさを抱えた中年男性はある扉の前で立ち止まり、その扉をノックした。中から扉が開けられ、まりさは中にいた別の青年職員に手渡される。 まりさを受け取った青年はまりさを運んできた中年男性がドアを締めたのを確認した後、 扉から1メートルほどのところにある、人の腰ほどの高さの柵の向こう側にまりさを軽く放り投げた。 そして扉の傍にあった椅子に座り、読みかけていた本に手を伸ばし読み始めた。 「ゆっ!おにいさん。まりさはおねえさんとあかちゃんにあいにいくんだからはやくここからだしてね。」 体の自由を取り戻したことで幾分落ち着きを取り戻したまりさは青年にそう言った。 だが青年は答えず黙々と本を読み続ける。次第にまりさは言っても無駄だと悟り、黙った。 何もすることもなくなったまりさは、周囲を見回し始めた。 それなりに広い四角い部屋で扉はまりさが入って来たところ一つだけ。 壁は一箇所だけ長方形の枠にガラスらしきものがはめ込んであるが外は見えず、その壁以外何も無かった。 扉から1メートルほどのところにある柵で部屋は分断されてて、自分がいるところと青年が座って本を読んでる部分の面積比はだいたい4:1。 そして部屋の中には自分以外のゆっくりの姿が見えた。数にしてだいたい3匹ほど。みんな一様に沈んだ顔で泣いている。 おそらく自分と同じように飼い主から引き離されたゆっくりだとまりさは判断した。 その中で一匹だけまりさは見知ったゆっくりを発見した。親友のゆっくりぱちゅりーである。 「ぱちゅりー!?」 「・・・・・・まりざああ?・・・むきゅううううううん、どごなのごごはあああ、おねえざんはあああ、あがぢゃんはどごおおお?」 いきなり連れてこられた殺風景な部屋の中、親友の顔を発見したぱちゅりーはまりさに泣きついてきた。 ぱちゅりーの疑問に答えられずはずもないまりさは自分もつられて泣きたいのを堪えながら、泣き続ける親友の頭を抱き続けた。 それから一週間の間に連れてこられるゆっくりは増え、まりさとぱちゅりーの親友のゆっくりありすも連れてこられた。 まりさとぱちゅりーを前に気丈に振舞ってたありすだが、その目には涙が浮かび、絶えず一緒に暮らしてた女性とその赤ん坊のことを気にかけていた。 それから何日たっただろうか。連れてこられるゆっくりはいなくなり、次第にそれとは逆に部屋から運び出されるゆっくりが現れた。 「まりさああああああ、ぱちゅりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」 「まりざああああああああああああ、だずげでええええええええええええええええええええええええええええ」 まりさの親友のありすとぱちゅりーもある日部屋から運び出された。 何もわからない状況のまま、互いの支えであった親友の連れて行かれるのを、まりさは何も出来ず只泣いて見ていることしか出来なかった。 それがまりさが親友二匹の姿をその目で見た最後の日となった。 そしてついにまりさも部屋から運び出される日が来た。 まりさは自分を運び出しに来た青年職員を睨み付けた。 いつも泣いてた他のゆっくり達を、泣いてたまりさの親友二匹を、 へらへらと笑いながら部屋から運び出して言った青年をまりさは嫌っていた。 自分もへらへら笑いながら連れ出されるんだろうか。そんな思いを抱きながらまりさは青年を睨み付けた。 だがその日の青年の様子はいつもと違っていた。いつものへらへらとした笑いではなくとても沈んだ悲しそうな表情だった。 その表情に気圧され、まりさは睨みつけるのをやめた。 「・・・・・・一ヶ月もあったのに・・・なんでお前だけ・・・・・・・・・・・・」 青年はそう呟きながらまりさを運び出して言った。 重い足取りの青年に抱えられ、部屋を出されたまりさは透明な箱に入れられ、別の部屋も連れてこられた。 部屋の前方には机が一つ置かれ、脇に少数の職員がいた。 机から部屋の後ろまでは処狭しとたくさんの人が椅子を敷き詰め座っていた。 まりさは机の上に置かれた。部屋に集まった人の期待に満ちた視線がまりさに一斉に集まった。 「それでは・・・発表します。・・・・・・今回の当選者番号は・・・42番!42番!!! 42番の方、おめでとうございます!!!!!!」 その瞬間一人の歓声と大勢の落胆の声が漏れた。 まりさは透明な箱に入れられたまま、歓声を上げた男に引き取られた。 そして彼に抱えられ、加工場の外に出ることになった。 久しぶりに見る外の世界、太陽の日差しが眩しかったが、久しぶりの外に出られたことに感動して悪い気はしなかった。 これでおねえさんとあかちゃんのところにいける。 このおにいさんにかいほうしてもらったら、ゆっくりせずにあいにいこう。 まりさの頭は外に出れた希望で満ち溢れていた。 まりさが加工場から男性に連れられて一時間ほどして人里の中にある一軒屋にたどり着いた。 男の家らしく、懐から鍵を取り出して扉を開錠して開けると中に入り、再び鍵を閉めた。 そのまま廊下を渡ってある部屋のドアを開けて中に入ると、窓にも鍵がかかってることを確かめた後、まりさは箱から出された。 「ゆっ!おにいさん、あそこからだしてくれてありがとね。じゃ、まりさはおねえさんとあかちゃんにあいにいくから、ゆっくりとそとにだしてね。」 まりさは外に出すように催促したが男は答えなかった。 「ゆゆ~?おにいさん?」 返事を返さない男の顔をまりさは訝しげに覗き込む。 男は床の上にいるまりさを見つめながら、笑いをかみ殺したような顔をしている。 「おにいさん!きこえてるの?まりさをはやくここからだしておねえさんと───」 「無理。残念。キミは今から虐待。いっぱい苦しめてあげるね♪」 男はそう言ってまりさとのコミュニケーションを放棄すると、部屋の中にある机の引き出しから糸刺し(裁縫針を刺して保管する小さなクッション状のもの)を取り出すとそこから裁縫針を一本抜き出し、まりさを押さえつけて側面部をザクザクと針を刺し始めた。 「・・・・・・ぐびっ!?・・・ぎゅっ!・・・ゆぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!」 突然の出来事に思考が追いつかなかったまりさは遅れて絶叫をあげる。 「おひょおおおおおおおおお~~~~~、一気にいくよおおおおおおお!ザクザクザクザクザクザクザク~~~~~~!」 まりさの絶叫を聞いてエキサイトした男はヒートアップして更に勢いを増しながらまりさの体に針を刺し続けた。 裁縫針程度の穴では餡子も中々漏れず、例え赤ゆっくりであろうと中枢部を激しく傷つけない限りは死に至ることはない。 だが鋭利な針に刺されることはそのような生命活動への影響の少なさとは裏腹に、まりさに耐え難い激痛をもたらしていた。 「ぐぎいいっ・・・!やべっっ・・・!!!!いだっ・・・!あっ・・・!!!ゆぐぅっ・・・!!!!!えぐっ!・・・あぎっ!!!」 次第にまりさは絶え間ない激痛のために呂律も回らなくなっていってしまった。 「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・最初はこんなもんか・・・。挨拶代わりとしてはこれくらいでいいか・・・・・・。」 一分ほど針を刺され続けたころ、男性は息を切らしながら、そういってまりさを刺すのをやめた。 まりさの体は300を超える針穴でいっぱいになっていた。 「はぁ・・・・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・おーい、聞こえてるか~・・・まりさちゃ~ん・・・おーい。はぁ・・・はぁ・・・・・・」 床でピクピク震えてるまりさに対し、男は尋ねた。だが返事が中々来ないので男は少し待った。 やがて男の問いにしばらくしてまりさがわずかに反応した。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じで・・・」 「ん・・・?」 「・・・・・・・・・どうじで・・・ごんなご・・・・・・ず・・・の・・・・・?まりざ・・・なに・・・ぼ・・・わづいごど・・・じでな・・・のに・・・・・・・・・。」 精神力の限りを振り絞り、まりさはか細い声で今一番知りたい疑問を男に問いかけた。 自分は何も悪いことはしていないはず。だがもし自分が何か罰を受けるべき悪いことを知らないうちにしたのなら謝り矯正しよう。 人間と暮らしてきたゆっくりにとっては当然の保身の術であった。 その問いかけ対して男が答えた。 「ああ、まりさは何もしてないさ。何も悪くない。こんなことされる理由なんて何一つ無いよ。 でもこれからも同じことするからね。いっぱいいっぱい針でザクザク刺して上げるからね。 針で刺すだけじゃなくもっともっと痛くて痛くてたまらないことしてあげるからね。 まりさは何も悪くないけど、いっぱいいっぱい苦しめてゆっくり出来なくしてあげるよ。」 「ゆ・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆっ!?ゆううううううううううう!?どぼじでえええええええええええええええ!!!!!!」 男の言葉の理不尽さにまりさは泣き叫んだ。 「さ~て、それじゃ第2ラウンドと行こうか、まりさちゃ~ん。今度はどんな痛い思いしたいかな~?」 「ゆぐう・・・・・・いたいのやだぁ・・・・・・・・・おうちかえるぅぅぅ・・・・・・おねえさんのいえにがえるぅぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・」 男の問いに先ほどの激痛を思い出したまりさは震えながら男に哀願する。 「だ~めだってば。まりさはこれからもっともっと痛くて苦しい思いしなくちゃならないんだから、 “おねえさん”のお家に帰ることも出来ないよ。」 「どおじでえええええええええええええええええ!!まりざわるぐないのにいいいいいいい。」 「悪かろうと悪くなかろうと痛い思いする。それがまりさちゃんの運命なんだよ。わかった~?」 男はそういって再びまりさを押さえつけた後、裁縫針をまりさに見えるように構えた。 先端の鋭利さがまりさに先ほどの激痛を思い出させた。 「だでがだずげでええええええええええええええええ!!!!!」 「それじゃこんどは顔面グッサグッサいこうか。痛いよ~。とっても痛いよ~。さっきよりもっと痛いからね~。」 「やべでえええええええええええええええええええ!!!!!」 まりさの脳裏に先ほどの耐え難い激痛が甦る。 そして男はまりさの顔面を再びザクザクと針で刺し始めた。 「ゆびぎゃああああああああああああああああ!!!!!!!!! まりさの絶叫が再び響きわたる。 針で刺される激痛でまとまらない思考の中で、まりさは必死に考えていた。 なんで自分がこんな目にあわなければならないのか。なんでお姉さんはこんな目にあってる自分をほったらかしにしてるか。 そして答えのでないまま、耐え難い激痛にまりさの思考は埋め尽くされていった。 数分して、男は手を止めた。 今度はしっかりとペース配分に気をつけたので、先ほどのようにすぐに息が上がることなく、数分間まりさの顔面に針を刺し続けることが出来た。 穴だらけの顔面でまりさは両目から絶え間なく涙を流し、「ゆびっ!・・・ゆぼっ!・・・ゆべべっ!!」と妙な声を発しながら痙攣していた。 痛みの許容量が限界を遥かに超えてしまっために、処理に脳が追いついていないのだ。 人間であるならとっくに気絶してもおかしくない激痛でも、ゆっくりの体と精神はそのような機能など持ち合わせていない。 いや、その言い方は正しくない。正確にはそれは既にまりさにとっては失われた機能だということだ。 以前のゆっくりは過度の苦痛に対しては気絶したり、場合によっては精神崩壊、発狂したりしていた。 愛する子供達を全て殺された親ゆっくりの精神崩壊や、姉妹が惨たらしく殺されてその恐怖で気絶する赤ゆっくりがその顕著な例である。 しかし近年のゆっくりの中にどのような苦痛に対しても、気絶や精神崩壊を起こさない個体があらわれたのである。 ゆっくりの研究者は、危険な外敵の前で気絶や精神崩壊を起こすことは生存の可能性を完全に潰してしまう命取りであるために 手足も鋭い牙ももたないゆっくりが自然で生き残るためのささやかな進化ではないかと唱えた。 痙攣して震えてる時点で生存確率にどの程度の差が出るのか聞きたいものだが。 当のまりさもそのようなタイプのゆっくりであり、苦痛に大して気絶も精神崩壊も発狂もしない。 この場合、「出来ない」と言った方がいいのかもしれないが。 故に痛みに対して精神と肉体を切り離すことが出来ず、無尽蔵に際限なく苦痛を溜め込んでしまう。 どんな苦痛だろうと気絶することが出来ないまりさは許容量を遥かに超えてしまった痛みに対して、 餡子で出来た脳が許容量を超えた分の痛みをゆっくりと処理していくのを、意識を保ったまま待ち続けることしか出来なかった。 絶え間なく耐え難い激痛がまりさの精神を蝕ばむ。まりさは一刻も早く苦痛から逃れられるよう願い続けた。 その苦痛は数時間続き、まりさは奇妙な声をあげながら痙攣して体を動かすことが出来なかった。 男はまりさを箱の中に入れ部屋を出て行った。こうして初日の虐待が終わった。 【前編】 終わり 【中編へ続きます】 中編予告 すっきり×赤ちゃん×同族殺し ゆっくりいじめ系1879 マタニティゆっくり 中編 1につづく このSSに感想を付ける
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昼。 仕事を終えて家に帰る。 鍵を開けようとしたところ、もう開いていた。 泥棒かと思って中に入れば、ゆっくりがいた。 「ゆっ! おにーさん! ここはまりさたちがみつけたおうちだよ! ゆっくりでていってね!」 「「「でていってね!」」」 数えて四匹のゆっくりまりさがそこにいた。 何をしているかと思えば、食料庫に置いておいた食べ物を全部食われている。 ご丁寧に貴重な胡椒や塩もだ。 しかし、俺はこいつ等を無視して台所へ向かう。 台所も荒らされており、鍋やらヤカンやらが散乱していた。 俺はそれをかき分けて椅子に座る。 そこで近所の子から貰った昼飯の握り飯を頬張った。 「ゆ! なにしてるのおにーさん! はやくでていってね!」 台所にいる俺を見つけて親まりさがぷくっと膨れて怒る。 子供たちも真似するように小さく膨らんだ。 「別にお前達の邪魔をしてないからいいだろう、ここはお前達の家なんだから俺は家具だとでも思えばいいさ」 俺はそう言って飯を食らう。 まりさ達はそれが気に食わない様子だった。 「いいかげんにしてよ! ばかなの? おにーさん!?」 「ばかなの?」 「しぬの?」 非難を浴びるが、俺は冷静に返す。 「ああ、馬鹿だよ」 その言葉に、俺が自分達より格下だと判断したらしくまりさは調子に乗る。 「さすがばかだね! ここがだれのいえかわからないなんて! いきてるかちないんじゃないの!?」 普通、並みの精神の人間だったらここでどうしていただろうか。 間違いなく引きちぎって殺していたに違いない。 「そうかもな」 「ゆふん! ばかなおにーさんはここでのたれじんでね!」 俺をせせら笑ってまりさ達は自分達がいた部屋へ向かった。 飯を食い終えた俺は、取り合えず眠りにつく事にした。 夜。 目が覚めるとゆっくり達がぷるぷると震えていた。 饅頭らしくおしくら饅頭をして暖を取っているようだ。 春になったばかりの夜はとてつもなく寒い。 「ゆうぅ……ここでさむさをしのごうね!」 「あったかいよおかーさん!」 「だいじょうぶだよ!」 「ぬくぬくだよ!」 まりさ達はみんな親を心配させないように言う。 家族愛って奴だろうか。 俺は台所にしまってある毛布を使い、それを服の中に仕込んだ。 そのまま掛けて寝れば、ゆっくり達に奪われるかもしれない。 多少動きづらかったが、晩御飯の準備をした。 今日は鹿のスープだ。 言い忘れていたが俺の職業は狩人で、山の近くで暮らしている。 そんな事はともかく、作業に移る。 調味料は食われていたため、お湯の中に山菜と鹿の茹でた肉が入ったような質素なものとなった。 しかし、それでもうまそうな匂いがするらしく、まりさ達が俺の元へやってくる。 「ばかなおにーさん! それをまりさによこしてね!」 無視。 するともう一度まりさが叫ぶ。 「おにーさん! それをまりさによ・こ・し・て・ね!」 よこせを強調するが、無視。 俺は体当たりされてスープを零されてはたまらないので、一気に飲み干す。 「どうしてくれないの!? なんで? いいかげんしんでよ!」 「俺はお前の家の一部で家具だ、家具はお前のためにご飯を作らないしあげもしない。それにお前はゆっくりだろ、自分で狩りくらいできるだろ」 その言葉にぐっと歯を食いしばるまりさ。 確かにその通りである。 まりさはゆっくりの中では知能があるほうで、狩りは得意なはずだ。 「おかーさん、おなかすいたよ……」 さむそうにしていた子まりさの一匹が親に言う。 親は憎しみの表情を浮かべて俺を睨んだ。 だが、無視。 「まぬけなおにーさんがごはんをくれなくてごめんね! あしたたくさんごはんをとってきてあげるからね!」 子供達は不服そうだったが、やがて親に従った。 (あの様子だと食料庫の中身全部なくなってるわけか) 俺はそう考える。 まりさ達的にはもう春が来ているようで、ご飯を溜め込むなんて事はしなくなる。 食べられるだけ食べる、というのがゆっくりの習性だ。 俺は早めに家を出る事にした。 朝。 俺が目を覚まし居間へ行くと、寒さに震えながらもすやすやと眠っているまりさ達がいた。 起こさないように猟銃を持ってすべての部屋の鍵を閉める。 そして俺は狩りへ向かった。 お昼ほどになって、俺は狩りをやめる。 そして、食料を調達するために里へ向かった。 里は相変わらずにぎやかだった。 そこで俺はあるお店を見つける。 店の名前はゆっくり屋という名前だった。 中に入ってみると、ゆっくりれみりゃがお迎えをする。 「ごんでぢわ! おぎゃぐざまはなんべーざまでづが!?」 鼻にかかる声で人数を聞かれたので俺は一人だと答える。 すると、ゆっくりれみりゃが少しほっとしたような顔をした。 「あ、いらっしゃいませ! こちらへどうぞ!」 後から店員がやってきて、俺を席へ案内する。 メニューを渡されて、俺は目を通してみた。 ゆっくりれみりゃの腕のハンバーグ。 子れみりゃの肉まん。 奇形子れみりゃの踊り食い。 ゆっくりれみりゃの足の丸焼き。 等と書かれていた。 俺はとりあえずハンバーグと肉まんを頼んでみる事にした。 数分経ってから、店員とれみりゃが俺の前にやってくる。 しかし、料理はなかった。 「いまからお客様の前でれみりゃの調理をします、ごゆっくりとお楽しみください。ほら、やれ」 店員が言うと、泣きべそをかいているれみりゃが自分の腕を台の上に置いた。 そして、あろうことが自分の腕を引きちぎったではないか。 「う゛ぐぎぎぎぎぎぎぎ!! い゛だい゛ー! ざぐやー! ざぐぐぇっ!?」 泣き叫ぼうとしたところ、店員に殴られるれみりゃ。 さらに指示されると、自分のもう片方の腕で腕を叩き潰した。 いい感じに余計な肉汁がこぼれる。 店員は満足そうな顔をしてそれを焼いた。 「はい、お待ちどうさまです」 「どうも」 俺はそれをいただく。 餃子の中身を食っているような味がした。 たしかにハンバーグといえばハンバーグだが。 次に用意されたのは踊ってやってきたれみりゃだった。 その上にはぱたぱたと子れみりゃがいる。 「う~☆ れみりゃのこどぼがわいいでそ~?」 俺がああ、と答えると腰に手を当てて尻を振る。 ダンスのつもりなのだろうか。 はたから見れば挑発してるようにしか見えない。 「いまですお客様、尻をはがしてください」 店員が言うので、俺はとっさにれみりゃのスカートを引っ張り、尻を丸出しにする。 別に子供と変わりないような尻だった。 かといって欲情したりしないが。 「う゛~なにするどぉー! れみりゃのぷりでーなおしりっがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 行ってる途中で悲鳴を上げる。 なにせ店員がナイフで尻の皮を切っているからだ。 一定の大きさに切り終えると、今度は親の前で子を叩き潰す。 「う゛ぎゅ!?」 「ぶぎゃっ」 間抜けな悲鳴がしたあと、台の上に肉の塊があった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! れ゛み゛り゛ゃのあがぢゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」 それを無視して切り取った尻の皮に先程の子れみりゃの残骸をつめ、蒸篭に入れた。 しばらくたって、ほかほかと湯気が立ち上る蒸篭を開けるとなんと肉まんが完成しているではないか。 とても不思議だ。 そして何より吃驚したのがこれだ。 「ぅー ぅー」 小さな声だが、小刻みに震えながら声を出す肉まん。 かろうじて生きていた子れみりゃが再生し始めていたので、こんな風になるらしい。 よくかんで食べれば腹の中で再生することはないらしい。 俺はそれを美味しくいただき、勘定を払って店を出た。 また夜。 返ってくると瀕死のまりさがいた。 やせ細っていて、今にも死にそうである。 一日半食べなければ餓死するのか。 「おに、さん……ごは、ん、ちょうだ、いね……」 弱弱しい声を出すが、俺は無視する。 「このまま、じゃ、まりさたち……しんじゃう、よ……?」 「だから?」 俺は買ってきた物で料理を作る。 匂いに釣られて子供達もやってきた。 「それ、ちょ……だい」 「……」 俺は無視して飯を食う。 まりさたちは血眼になってそれを見ていた。 「お前達は自分で狩りができるんだろ? なら必要ないじゃないか、あと食料庫から食べればいいだろう」 鍵を閉めたのは俺だなんて眠っていたこいつらには分からない。 ただ、部屋から出られず、ただ衰弱していった。 「おかーさん……おなか、すいたよー……」 その言葉にまりさも限界が来たらしい。 歯を食いしばり、俺に飛び掛ってきた。 「えざよごぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 俺は銃を取り出し、飛び掛ってくるまりさの口に突っ込んだ。 「別にいいぞ、黒胡椒の飴を食わせてやってもいい」 黒胡椒の飴、つまり弾丸の事だ。 まぁ胡椒は発火に使うものだが。 「ゆぎぎぎ! よごぜ! よごぜぇ!」 喚くまりさを無視して、俺は飯を食い終える。 そして毛布を服に仕込んで寝た。 最初は、喚きたてるゆっくりがうるさかったが、段々と静かになる。 朝。 起きると、一家は死んでいた。 餓死と凍死だろう。 皆、死への恐怖に目を見開いている。 俺は、一匹を釘で指して壁に張り、ゆっくりが来ないようにする。 さすがに何度も来られては、こっちの身ももたない。 そして残った方は、今日の昼飯となった。 別に殺そうと思えば殺せる。 だが、こいつらのために体力を消耗したり、貴重な弾丸を無駄にしたくはなかった。 ゆっくりなど、所詮閉じ込めてしまえばいずれ死ぬ。 だから、余計な手は加えない。 俺はそう考えている。 居座ったゆっくりなど無視して生活すれば勝手に死ぬのだ。 俺は鹿を狙い打って、今日の晩御飯を手に入れた。 あとがき 皇国の守護者のパロディでもやろうかと思ったけど辞めた。 サーベルタイガーにでも食わせるかな? 新城ォォッ! このアフォが書いた作品 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング1~3? 霊夢のバイト 慧音先生とゆっくり ゆっくりCUBE 書いた猟師:神社バイト このSSに感想を付ける
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以下のものを読んだ後だと、より一層ゆっくりできると思います。 具体的には、部屋の配置とおりんのゆっくりプレイスが良く理解できるかも。 B級ホラーとひと夏の恋 別にどちらも内容に大きく関係しないので、読まなくても平気です。たぶん。 「さて……どうしたものかな」 「どうしたんだい? おにーさん」 「今度はね、普通のれいむとかまりさにしようかと思ってるんだ」 「ゆゆ! じゃあおりんのゆっくりプレイスはつかわないんだね!!!」 「…………」 「……つかわない、よね?」 「残念だったな。今回もこの部屋使うぞ」 「ゆがーん……ゆっぐりでぎないよぉ……」 ◇ ◇ ◇ 「さあ、こんかいみんなに集まってもらったのは、大事な話があるからです」 「むきゅ? パーティーかなにかかしら?」 「う~☆ パーティーはゆっくりできるんだどぉ~♪」 何でこんな時期にパーティーするんだよ。 一年のうちパーティーする機会だなんて俺の誕生日ぐらいだろ。 「残念、パーティーじゃないんだ。誰か正解することができたら、みんなにゆっくりとしたご褒美あげちゃうぞ!」 「ひゅい!? にとりにあたらしいすいそうさんをくれるの!?」 「くろまく~! あたらしいれいとうこ~!」 「あたいったらさいきょーね!」 「こぼね! こぼねこぼーね! こーぼねー!!!」 「……げーむき」 「じゃあえーりんも姫様と同じものをおねがいします!」 「――――」 「―――」 「――」 「―」 その後も騒がしい喧噪はしばらく続いた。 というかお前ら自分の欲しいもの言ってるだけだろ。俺の財政状況は無視か!? あれだな、ご褒美と言ったのがまずかったらしい。もう全員ゆっくりとしたご褒美のことしか考えていない。 あっ、でもれみりゃが欲しいものは『ごーじゃすなケーキ』だそうだ。それくらいなら覚えていたら駅前のコンビニで買っとこ。 「……さて、みんな言い終わったかな?」 「ゆゆぅ……もうだめだよおにーさん。おもいつかないよ。ゆっくりしたものはさっきのものだけでいいよ……」 なにが『だけ』だ。 全部買ったら間違いなく家計が火の車になる。むしろ出血多量で入院コースか? とりあえず赤くなるのには違いあるまい。 「それじゃあ、みんなに大事なお話をするぞ! それはな―――」 「それは―――?」 「なんと、みんなの中から何匹かがゆっくりできなくなります!!!」 「「「「「ゆうぇえぇぇぇ!?!」」」」」 ◇ ◇ ◇ 次の休日。 「ゆゆっ! やめてね! れいむをはなしてね!」 「まりさをはなすんだぜ! ゆっくりできないんだぜ!」 俺は準備が終わった後、山で適当に二匹を捕まえた。 他のゆっくりと違って、わりと見つけやすいのが便利だよな。 「いいかい? 今日はね、れいむとまりさにゆっくりとしたお話を持ってきたんだ」 「ゆゆゆっ!? ゆっくりできるの!?」 「れいむ、だまされちゃだめなんだぜ! にんげんさんは『じゃあく』で『やばん』ないきものなんだぜ!」 おお、このまりさは意外とましだな。 人間に近づこうとは思わないのは、生きていく上で正解だ。 まあ、こうして俺に捕まったら意味がないわけだけれど。 「なに、そんなにむずかしいことじゃないよ。ゆっくりとしたレースにかてば、あまあまをあげるんだ」 「ゆっ! まりさ、あまあまだよ! ゆっくりさんかしようよ!!!」 「だめだぜ! きっとまけたらゆっくりできなくなるんだぜ!!」 「あはは、そんなことないよ。負けたところでおれは何もしない。本当さ」 「ほら、なにもしないって! ゆっくりできるよ!!!」 「ゆゆーん……」 「まりさはむれでいちばんかりがうまいゆっくりなんだよ! れいむはいちばんうつくしいゆっくり! ふたりならむてきだよ!!!」 「れいむ……でも……」 お、迷ってる迷ってる。もうひと押しだな。 「大丈夫。レース中は死ぬことはない、簡単な障害物競走さ。それに相手は我が家にいるゆっくりとかだから、勝てると思うよ?」 「……ほんとうに、しなないんだぜ?」 「ああ、レース中には絶対に死なないよ。もし死んだら、生き残った方に好きなだけあまあまをあげよう」 その一言で、まりさは折れた。 ◇ ◇ ◇ さて、今回の虐待の内容を説明しよう! ゆっくりレース会場はおりんのゆっくりプレイス、もとい観察系虐待部屋! 今この部屋は襖が外されているため、四方のうち一か所だけ壁がない部屋をイメージしてほしい。 中央にはベニヤ板で作った壁が一つだけ、入口から延びている。 つまり、入口の右から入って左から出るだけの、凹型のコースというわけだ。 ゆっくりレースが開催されるたびに、俺はこのレースに仕掛けを施す。 そして、先にゴールした方が優勝だ! 「―――と、いうのはお前たちに説明しても分かんないよな。こっちから入って、ぐるっと回ってここから出てこれたら勝ちだ」 「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」 「俺が『よーい、ドン!』って言ったらスタートだ。わかるか?」 「「とうぜんだよ!!!」」 うんうん、素直なゆっくりは大好きだぞ。 さて、我が家のゆっくりはどういう反応だろう? 「…………」 「おや? にとり、ゆっくりしてないな?」 「……ゆっくりできないよ」 「そんなこと言うなって。もし勝てたら、新しい水槽をあげるんだぞ?」 「…………」 にとりが元気ないのも無理はない。 今ここら辺全体は、一晩中かけたエアコンの『ドライ』のせいで、すごい乾燥した空気になっている。 おそらく今この瞬間も、いつ乾ききってしまうのか心配でゆっくりできないに違いない。 ちなみに我が家のゆっくりは、選手以外は観察部屋か二階にいるよう命令してある。 「というわけで、こっちの一番手はにとりからだ。そうそう、お前たちは片方でも先にゴールできたら勝ちだからな」 「ゆっゆっゆ! おじさんはまりさたちをあまくみてるね?」 「そこのにとりはすごくゆっくりしているけれど、れいむたちはもっとゆっくりしているんだよ?」 「「ゆっくりかったもどうぜんだね!!!」」 うん、まあ、間違っちゃいない。 今回は最初から、お前たちが勝つようにセッティングするんだからな! 「それじゃあ第一レース。よーい、ドン!」 ◇ ◇ ◇ 見えきった勝負だ。結論から言おう。 にとりは負けた。 乾燥しかけた体だとうまく動けないとは知っていたが、まさか魔理沙たちがゴールするまでに半分も進めないとは思ってもいなかった。 「ゆゆ~♪ ゆっくりかったよ! やくそくどおりあまあまをちょうだいね!!」 「ゆゆーん♪ まりさはやっぱりゆっくりしてるよ♪」 まりさたちはもう有頂天である。 実際にレースに勝てただけじゃないだろう、飼いゆっくり―――つまり、自分たちよりもゆっくりしているゆっくりに勝ったのだ。 まりさたちだって、飼いゆっくりの境遇を知らないほど馬鹿じゃない。 自分より上のものに勝つということは、とてもゆっくりできることなのだ。 「…………」 反対ににとりは悔しがっていた。 ただ無言で涙を流していた。 にとりにしてみれば、自分より不細工でゆっくりしていないゆっくりに負けたのだ。 それも、にとりが望まない勝負によって。明らかに負けるとわかってても、参加しなくちゃいけなくて。 今この場で、そのことをれいむとまりさに言うこともできなくて。 ここでにとりは、ただの道化だった。 「……おい、にとり」 ここで俺は、にとりにだけ聞こえるように言葉を掛ける。 だが、にとりは俺を見ようとすらしない。逆に、そっぽを向かれてしまった。 ……これはちょっと虐めすぎたかな。 「あとで胡瓜を買ってやるから、機嫌を直してくれ。な?」 「―――リ」 「ん?」 「3キューリで、ゆっくりゆるしてあげるの」 「ああ、わかった。三本だな」 よかった、それなら100円あれば十分だ。 何で金を気にするかって? 若手社員に金が余ってるわけないだろ。虐待も経済化の時代なんだよ! 「ゆっ! おじさん!」 「ん? どうしたまりさ?」 「やくそくどおり、あまあまちょうだいね!!!」 「ああ、そうだな、ゆっくり待ってろ」 そして俺はまりさたちにも見えるよう、近くのちゃぶ台の上のお皿に、二粒だけゆっくりフードを置いた。 「ほら、まずはこれだけだ」 「ゆっ! これだけじゃなりないよ!! もっともってきてね!!!」 「そうだよ! これだとれいむはゆっくりできないよ!」 「まあ待て、これからお前たちが勝つたびに、このゆっくりフードは2倍になる……って言っても解らんか。 いいか! まりさたちは勝てば勝つほど、もらえるあまあまが一気にふえるんだ!!!」 「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」 うん、単純な言葉って便利だよね。 「んじゃあ、次はちるのだ」 「あたいってばゆっくりさいきょーね!!!」 ◇ ◇ ◇ 「ちゃんといわれたとおりだよ! はいったあと、はやくでてくればさいきょーだよ!!」 「だからって、入口から入ってすぐ出てきたらルール違反だろ……」 実は最初からちるのにはこうなるように、わざと聞き間違える説明をしたのだが。 「ゆっふっふ、ちるのはやっぱり⑨だね!」 「『るーる』さんもりかいできないなんてね! おお、おろかおろか」 「ちるの、まるきゅーじゃないもん! てんさいだもん!」 「はいはい、それじゃあちるのはそこにいな。―――あとでこっそりアイス買ってやるから」 「ゆっ……ゆっくりりかいしたよ!!!」 どうでもいいけど、ちるのってバカと言うより短絡思考なだけだよな。 「んじゃ、ゆっくりフードをほいほいっと」 「ゆゆぅ? あんまりふえてないよ!」 「大丈夫だ、次からがすごいぞ」 次のに勝てば八個になるのだ。 慎ましいゆっくりなら十分な数だろう。そんなゆっくり、野生では見たことないが。 「それじゃあ、次のれてぃに挑戦だ!」 その前にエアコンを暖房にしないとな。……うわ、あっちぃ! 夏に暑さ我慢大会する奴の気持ち、俺にはわからんよ。 ◇ ◇ ◇ 「く~ろ~ま~く~……」 「ゆゆっ! れてぃ、ゆっくりしてね!」 正直、れてぃは善戦した。 最初は中のバニラアイスも動くにはいい塩梅だったのだが、エアコンの下にきて暖房をもろに浴びた時、れてぃは動けなくなったのだ。 そしてすぐに暖房を切ったのだが、これ以上ひどくならなくとも回復するわけがなかった。 俺はレースが終わった後に待機していたちるのへ冷やすよう命令して、今に至る。 れてぃはまりさたちに悔しがる余裕もないらしい。 割と本当にやばかった。 「……動けるようになったな? とりあえず冷凍庫に入ってろ。後で様子を見に行く」 「さて、まりさたちにはあまあまをあげよう。ほれほれ」 「ゆゆっ! ……ゆ? これだとまりさはゆっくりできるけれど、れいむはゆっくりできないよ!」 「ほんとうだよ! れいむのぶんしかないよ!」 お前たち、よくその会話でけんかしないな。どっちも自分の分が優先かよ。 「大丈夫。次もまりさたちが勝てば、これが倍……つまり、二匹分もらえるんだぞ?」 「ゆゆゆっ! じゃあさっそくちょうせんするよ!」 「ゆふん! もはやかちはきまったもどーぜんだね!!!」 ああ、決まってるとも。 今のうちに良い思いをするがいいさ。 ◇ ◇ ◇ その後も出来レースは続き、まりさたちは勝ちを重ねていった。 れてぃの次に出てきたゆゆこには驚いたようだが、俺が天井にゴムで吊るしたお菓子を吸い取ろうと頑張っている間にゴールした。 ゆゆこには今度、腹二分目まで食べさせてあげる約束をした。ちなみに普段は腹一分目も食べさせていない。 その次のてるよふは楽勝だったでろう。全く動かなかったのだから。 でも、なぜか三百円を要求された。今度ゲーセンでシューティングをやるらしい。 次はえーりんである。普通の仕掛けであれば、まりさたちに負けることはなかったはずだ。 だが、途中にてるよふを置いたら動かなくなった。えーりんは何もいらないらしい。いいやつ。 続いてもこたんを走らせた。すると途中のてるよふを攻撃しようとして、えーりんと喧嘩を始める。いつもの光景だ。 欲しいものはタバコとかほざいていたため、棒付きキャンディを買うことにした さて、次はえーきさまだ。今は走らせてるのとは別の野生のゆっくりの足を焼いて置いといた。 まりさたちは『ゆっくりできないね!』と言いながら去って行ったが、えーきさまは延々と人間に近づかないように説教し続けた。 ちなみに、欲しいものはシークレットブーツ。不可能だからあきらめてもらった。 じゃじゃーん! 次はおりんである。おりんはゾンビゆっくり五匹との参加である。 そのときれいむが『かずがおおいなんてはんそくだよ』なんて言っていた。ゾンビは遅いからむしろハンデだよ。 途中に空気しか入ってないビニールプールを、道幅いっぱいになるよう置いておく。高く跳ねれないゾンビは全滅し、おりんは泣いた。 要求してきたのは、次こそこの部屋を使わないでとのこと。……気が向いたらな。 最後のいくさんは空気を読んだ。 まりさたちとつかず離れずの接戦の末、なんと僅差でれいむが勝った。最後の大ジャンプが功を奏したらしい。 まりさも『ゆっくりとしたきょうてきだったぜ……』などと言い、熱い握手(?)を交わしていた。 ちなみに欲しいのはダンシングレボリューション。買えないといったら、ならなにもいりませんと返してくれた。 キャーイクサーン!!! 素敵すぎるぜいくさん!!! さて、みんなから聞いた欲しい物をメモ帳にまとめたのだが、これなら何とかなりそうだ。 飼い主って大変だね! 「ゆっひょぉぉぉ……」 「ゆぅぅぅ……」 まりさとれいむは、ちゃぶ台の上を眺めて感嘆の息を漏らしていた。 ちゃぶ台の上はゆっくりフードで山ができている。もちろん、ピラミッド状の、とんがった山だ。 ここまで俺がちゃんと置いていれば、1024個である。 もちろん途中から数えるものめんどくさくなった。 だから適当に箱から出して山にしているだけなのだが、それでもすごさだけは伝わっているはずだ。 「ゆっくり……これだけあれば、いっしょうゆっくりできる……」 「ちがうよまりさ……まごまでのこしていけるよ……」 ちなみに、そこまで量はない。 消費期限を考えなければ、ちびちびと我慢しながら食べれば一生持つかもしれないが、強欲なゆっくりであれば三日で食べきるはずだ。 付け加えるならば、この量ならゆゆこの毎日の食事である。これで腹一分目もいかないって…… 「まりさ……正直俺は、お前を見くびっていたようだ。我が家にこれ以上のあまあまは、ほとんど残っていない。だから、次で最後にする!」 もちろん嘘である。 本当はゆゆこがいるため、問屋から卸してもらっているほどだ。 「ゆっ! いさぎよいね! でもまりさはまけないよ!!!」 「わかった、挑戦するんだな。……ちなみに次に勝った時、このあまあまの山をもう一つつける!」 「「ゆゆゆっ!?」」 要するに二倍である、最初と言っていることは変わらないのに驚くゆっくりたち。 「……ゆっ! 大丈夫だよ! たとえちぇんでも、けーねでも、……いまなられみりゃやふらんにも勝てるよ!!!」 「よし、言おう。次の対戦者は……この俺だ!」 「「……ゆ?」」 れいむとまりさは目に見えて呆然としていた。 相手が強すぎるから? いいや、逆である。運が悪い相手を憐れんで、だ。 ゆっくりは基本的に顔と帽子の大きさで相手の強さを判断しているため、にんげんを軽視する傾向にある。 最初は人間を警戒していたまりさも、先ほどから美ゆっくりに勝ち続けている今では警戒心が薄い。 むしろ『いまならにんげんさんにだって……かてる!』と思っていても、なんの不思議ではないのだ。 「……にんげんさん、こうかいしないね?」 「ああ、大丈夫だ……負けた時の覚悟は、できている」 それどころか、俺は勝った時のことも考えている。むしろそっちがメインで。 「それじゃあ、合図はいくさんに頼もう!」 「ゆっくりよーい……ドンですわ!!!」 テクテクテク、テクテクテク、テクテクテク。 はい、ゴール。 「「……なんでぇぇぇ!?!」」 いや、当然だろ。 ◇ ◇ ◇ 「さて、れいむとまりさ。お前たちは敗者になったわけだ。理解してるか?」 「「ゆっくりりかいしたよ……」」 二匹はすっかり意気消沈していた。 まあ、最後が圧倒的過ぎたからな。 「というわけで、後はお前たちの隙にするといい。もう自由にどこかに行ってもいいぞ」 「「ゆゆゆ!?」」 「に……にんげんさん、あのあままのおやまさんは?」 「ん? ああ、お前たちのものだ」 「……まりさたちになにもしないの?」 「やだな。そう言う約束だろ? 忘れちゃ困るな」 「「ゆゆゆゆゆ!?!」」 一気に顔に輝きを取り戻していくまりさたち。 まるで夜中に部屋の明かりを点けたような変わり具合だ。 「「ゆわーい!! ゆわーい!!」」 「それじゃあ、後は頑張って逃げてくれたまえ」 「……ゆ?」 気がつけば二匹の周りは、 いくさんが、 おりんが、 えーきさまが、 もこたんが、 ゆゆこが、 れてぃが、 ちるのが、 そしてにとりが、隙間なく囲んでいる。 「まあ、自分たちがバカにしたんだから俺は関係ないということで。みんな、絶対に殺すんじゃないぞ?」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」」」」 「「ゆんぎゃぁぁぁ!?!」」 そして二匹は連れ去られていった……のだが、なぜかゆゆこだけが戻ってきた。 「ハーフーーー!!! こぼねっ♪」 嬉しそうににゆっくりフードの山を吸いこんだゆゆこ。 それがれいむとまりさの物だったのは、一夜にも満たない、儚すぎる時間だった。 「まあ、せっかくあいつらにあげたのに食べてもらえないのはかわいそうだからな…… おいゆゆこ。今日の分はいつも通りやるから、それとあわせて腹二分目の約束は帳消しな?」 「こーぼねー♪」 「う~♪ こんかいはいじわるされないし、れみりゃのひとりがちだどぉ~☆」 「ああ、お前はここの片づけな」 「うぅー!? ひどいどぉー! おうぼうだどぉー!!」 「片付けなければ明日のぷっでぃ~んは抜きだ」 「うわぁぁぁ!?!」 安心しろ、お前にはすでに『ごーじゃすなケーキ』を買ってある。 明日のおやつの時間には、それを出してやろう。 もちろん目の前で俺が食べるのだが。 ◇ ◇ ◇ れいむとまりさの扱いは、ひどいものだった。 「かっぱっぱー♪ もうちょっとみぎにいどうさせて」 「ゆっ! こうだね!」 「およよ、あばれないでください」 最初は、にとりが新しく作ったパチンコの実験台にされた。 いしさんが当たってゆっくりできなかった。 「あたいったらさいきょうね! ……へくちっ!!!」 「…………」 「…………」 「では、もこたんにもっていきますね」 次に、ちるのに何回か氷漬けにさせられた。 寒くてゆっくりできなかった。 「くろまく~♪」 「じゃじゃ……さむっ! れてぃ、ゆっくりたべちゃだめだよ?」 「くろまくー……」 れてぃの中は暖かかったけれど、ゆっくりと融かされた。 怖くてゆっくりできなかった。 「ハフッ! ハフッ!」 「ゆんぎゃぁぁぁ!!!」 「れいむのかわいいほっぺがぁぁぁ!?!」 ゆゆこのおやつにほっぺを食べられた。 喰われてゆっくりできなかった。 「じゃあ、次はこの『す』さんを入れてみましょうか。大丈夫、ゆっくりできるかもしれないわよ?」 「……ユッグリデギナイヨ」 「あら? ゾンビゆっくりみたいな話し方になったわね?」 えーりんには変なものを注射された。 くすりさんはゆっくりできなかった。 「もっこたん~♪ もこたんの『すみびやき』だよ~♪」 「あじゅいぃぃぃ!!!」 「もうやべでぇぇぇ!!!」 もこたんには『すみびやき』にされた。 暑くてゆっくりできなかった。 「―――いいですか? ゆっくりしたことばにつられるのはしかたありません。ですが、きめたのはあなたたちなのです。ですから―――」 えーきさまにはお説教された。 お説教はゆっくりできなかった。 まりさたちを捉まえてたゆっくりも、ゆっくりできていなかった。 「ん~~~……ふぃーばー!!!」 「ゆびびびびび!!!」 「ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ!!!」 いくさんにはふぃーばーされた。 ふぃーばーはゆっくりできなかった。 そして、最後にたどり着いたのは――― ◇ ◇ ◇ 「……さて、お前たち? 俺のところに回されたということは、どういうことだか解るな?」 「…………」 「…………」 ほとんど目が死んでるな。 まるで『しんだほうがゆっくりできるよ……』とでも言ってそうだ。 いや、目は口ほどに物を語るという。 ならば、そう考えて間違いないだろう。 「さて、お前たちも今日で最後だ……最後で最大の苦痛を与えてやる」 「「…………」」 れいむとまりさは、何も答えない。 体は傷だらけで餡子もボロボロだろうが、どこも欠損はなくて生きているのだ。 答えれないわけじゃない。答えたくない、自分で言って理解したくないのだろう。 「じゃじゃーん! さいごはおりんのでばんだね!」 どこからか、おりんがやってきた。 後ろにはゾンビゆっくりを連れている。 「れいむとまりさは、しんだあともおりんのゾンビゆっくりになるんだよ! ゆっくりしていってね!!!」 「ああ、お前の出番ないから」 「どぼじでそんなごどいうのぉぉぉ!?!」 何か勘違いしていたのか、おりんは突然泣き出した。 いや、だってお前、この前みんなと一緒になってまりさたちを虐めてたんじゃないのか? それで充分だろ。 「とりあえず、お前たちは元々いた群れの近くに帰してやる」 「「……ゆゆ?」」 「おりんはゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!」 「はいはい、おりんは黙ってろ。……もう一度言おう、群れの近くに帰してやる。そして、静かに群れと一緒に暮らすんだな。」 おお、なんか信じられないという顔しているぞ。 まあいいか。おれは返答なんて求めていない。さっき言ったことを実行するだけだ。 そしてれいむとまりさは、本当に群れの近くまで返されたのだった。 ◇ ◇ ◇ 「むきゅ、ほんとうによかったの? あのれいむたちをにがして」 「ん? ぱちゅりぃは不満なのか?」 「当然よ! もしあのれいむたちが、ほかのにんげんさんになにかしゃべったら……」 「ははは、何の問題もないよ。―――少なくとも俺は。 むしろ俺はゆっくりした人と言われ、ゆっくりしてないのはここのゆっくりたちだろうと言われるね」 「……ぱちゅりぃはどうなってもしらないわよ」 「ああ、大丈夫。どちらにしろあのゆっくりたちは、もうすぐ最高にゆっくりしないまま死ぬだろうから」 「むぎゅー! どこにそんなほしょうがあるのよ!!」 「……いいか、よく覚えておけ。群れのことで―――社会性のことで、人間以上に詳しい生物なんていないんだよ」 野生動物は一度大きな怪我を負うと、生きていくことはできない。 それはゆっくりも同じこと。 弱ったゆっくりが生きていけるわけがない。 群れに戻ったれいむとまりさは、満足に動けなかった。 そのため満足な狩もできず、群れの中でも白い目で見られた。 ゆっくりできたはずのみためだって、虐待のせいで火傷だらけで、髪もかざりもボロボロ。 群れのゆっくりはこっちを見るときに目をそらす。 そんなゆっくりが復讐しようと言っても、誰も付いてくるわけがない。 最後は邪魔者扱いされて死んでしまった。 群れの仲間に殺されてしまった。 それを咎める者は誰もいなかった。 これがれいむとまりさ、最後のゆっくり生における、たった二日間の全容である。 あとがき チルノの裏の会話で普通のゆっくりの虐待を望んでいた人がいたので、 ゆっくり徹夜で書いてみました。 予想と違ってゆっくりできなければごめんなさい。 前に書いたもの B級ホラーとひと夏の恋 ゆっくりできないおみずさん このSSに感想をつける
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・・・ほんの少しだけ『ゆっくりいじめ系2560 分からないだらけのゆん生』とリンクしていますが、読まなくても支障はありません。 ゆっくりの生態・・・現在最も注目されている割にゆっくりの生態は意外と知られていない。当然だ。 突如として出現したため資料も何も存在せず、研究者たちも頭を抱えているのだ。一般人が知っているはずが無い。 だが最近になってゆっくりは人間と深く関わるようになった。ペットとして売り始めた店が出現したり、ゆっくりに 関連した本が沢山発行されたり・・・。都市部に入り込んで生活するゆっくりが出てきたり、畑を荒らしたり家に侵入したり・・・。 第1印象が最悪なせいか、現在野良ゆっくりは害獣としての認識が強まっており、対ゆっくり用の防犯グッズも飛ぶように売れた。 多くの人がゆっくりは人間の敵だと唱えているが、ちょっと待って欲しい。この世に無意味なものなど存在しないのだ。 そう提唱したのは『研究鬼異惨』と呼ばれている1人の科学者だ。彼はゆっくりを人間のために役立てる方法を日夜研究している。 彼はゆっくりの研究に多大な功績を残しただけで無く、優秀なペット用ゆっくりを生みだす工場も複数所有している。 特にちぇん種が飛ぶように売れているらしく、そのおかげで研究資金に困らないという訳だ。彼は商売の才能もあったらしい。 鬼異惨はたまに中学校などに出向きゆっくりについて学生に語ったりする仕事もしている。鬼異惨は丁寧に説明した・・・。 「いいですか。ゆっくりを見ると即叩き潰したいと思う人間もいるようですが、それは非常に勿体無いのです。ゆっくりのことを、 私は神が人間に与えた最後のチャンス、地球で生きるための希望だと考えています。科学者が神を信じてるのはおかしいかも しれませんが、あんな饅頭がしゃべって動いているのですから神様ぐらい本当にいるかもしれません。」 生徒達は笑いに包まれる。中学生ぐらいの子供はどんな些細なことでも笑いたい年頃なのだ。 「実は近所の教会で神父さんに話を聞いたところ、神父さんはゆっくりは神が人間を戒めるために生んだものだと言っていました。 確かにゆっくりは欲望に忠実で自分さえ良ければそれでいいという精神を持っています。人間の悪い内面にそっくりじゃないですか。 私は神父さんの仮説に心を打たれましたね。神が関わっているかは別として、ゆっくりはやはり人間のために役立てるべきだと思いました。 ゆっくりは数々のやっかいな性質を持っていますが、上手く利用すれば必ず人間の利益に成り得るのです。 例えば食ったものを自らの中身と同じ物体に変化させる性質は、適当に生ゴミを食わせれば手軽に餡子などを量産できるということです。 他にも実に様々な・・・。」 鬼異惨の話に誰もが夢中になった。ゆっくりがこんなに役立つナマモノとは思っていなかったからだ。 実際鬼異惨の言う通り、人々は次第にゆっくりの活用法を見つけ、実践していった。例えば・・・ 例1・・・某公園にて・・・ 「ゆ!?おにーさんはゆっくりできるひと!?ゆっくりできるならあかちゃんをみせてあげてもいいよ!!」 「HAHAHA~!私はとてもゆっくりできるお兄さんさ!!何故ならホームレスだからなぁ~!!!」 「よくわからないけどゆっくりできるならあかちゃんをみせてあげるね!ついでにあかちゃんにあまあまをあげてね!!!」 「あかちゃん、でてくるんだぜ!このおにーさんがあまあまくれるんだぜ!!」 ポピュラーなれいむとまりさの家族に話しかけているのは派遣切りのせいでホームレスとなったお兄さんだ。 何の根拠も無くお兄さんを信用したまりさはあっさりと赤ちゃんを前に出した。 「ゆっきゅちしちぇいっちぇね!!!」 「ゆゆ~・・・。おにーしゃんはにんげんしゃん?ゆっきゅちしちぇいっちぇね!!!」 赤ゆたちは人間と話せたのが嬉しかったのだろう。ピョンピョン跳ねながらお兄さんに擦り寄って来る。 お兄さんはにっこり微笑むと赤ゆたちを手に乗せ持ち上げる。 「計2匹か・・・。まあ腹の足しにはなるかな・・・。」 「ゆゆ~♪おしょらをとんじぇるみちゃい!!」 「ゆっゆっゆっきゅちしちぇるよ~♪」 お兄さんは水道水で軽く赤ゆを洗い、きゃっきゃとはしゃぐ赤ゆたちを・・・! 「む~しゃむ~しゃ、幸せ~♪・・・なんつって、むしゃむしゃ・・・。」 「ぴっゆびゃびっ!」 「いじゃぷちゅっぴゃ・・・っ!」 食べた。もちろん良く噛んで味わいながら・・・。親ゆっくりは10秒ぐらい思考停止をしていたが、間も無く事態に気付き絶叫した。 「ばりざの・・・!ばりざとでいぶのあいのげっじょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!!!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!?」 「いや、空腹でつい・・・ね。さ~て、成体は不味いし別の赤ゆを探そうっと!HAHAHAHA~!!!!」 このように明日の食事にも困る者たちにとってゆっくりはまさに救いの女神だった。手軽に甘味が手に入るのだから・・・。 ちなみに親のれいむとまりさはこの後1時間近く泣き叫び続け、騒音騒ぎで保健所の人に連行されてしまった・・・。 例2・・・雪山にて・・・ 「まさかこんな吹雪になるなんて・・・!」 今お兄さんは雪山で猛吹雪に襲われ洞窟に避難していた。もうずっとこんな調子だ。食料もだいぶ減ってきた・・・。 「これを持ってきていて正解だったな・・・。できれば控えたかったが・・・。背に腹は代えられん・・・。」 お兄さんはバッグから大きいケースを取り出し、そっと開いた・・・。中には子れみりゃ(胴付き)が入っていた。 「うぁ~!せまかったどぉ~!!おにいさんひどいどぉ~!!でもれみりゃはかんだいだからとくべつにぷっでぃんで・・・!」 「五月蝿いぞ非常食。バクッハフハフ・・・!!」 「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」 お兄さんはれみりゃの小さい体を掴み上げ、下半身を引き千切って口に運んだ。美味い・・・。ホカホカしてて寒さを軽減してくれる。 「うがっうげへぇ・・・っ!!」 「ごくろう非常食。また頼むな。」 お兄さんはれみりゃ治療用のオレンジジュース凝縮錠剤を飲ませ、再びケースを閉めた。防音なのでれみりゃの悲鳴は聞こえない。 今登山家たちの間でゆっくりが大人気だ。携帯食料や非常食としてだが・・・。 少し齧って治療してまた食べる・・・。こうして何度でも使いまわせるのが魅力だ。特に雪山に行く人にれみりゃは人気が高かった。 ちなみにこのお兄さんは5日間れみりゃを生かさず殺さずで上手く食べ続け、1週間後たまたま通りかかった人に発見され助かった。 余談だが・・・救助されたときれみりゃはそこにいなかった・・・。結局食欲に負けて6日目に全部食べてしまったらしい。 例3・・・外交にて・・・ ゆっくりは何故かこの国でしか発見されてない存在であったが、世界中がゆっくりに興味を抱き、求めていた。 発展途上国に輸出されたゆっくりは飢餓に苦しむ多くの人々を救った。何せ2匹いればあっという間に美味しい赤ゆを作れるのだがら・・・。 だが何故か同じ種族同士ではすっきりしてくれなかったらしい。れいむ種にれいむ種を近づけてもすっきりはせず、 発情させてもすっきりせず涎を撒き散らすだけだったという。学者は同種族がすっきりするということは、 人間で例えれば同じ性別の者と交わるのと同じ感覚なのでは仮説を立てた。ゆっくりには性別など基本ないが、 その説なら何となく納得はできる。極稀に同種族での家族がいるらしいが、そういうゆっくりは人間でいうガチホモなのだろう。 また、先進国でもゆっくりはブームになった。ヘルシーで適度な甘さの餡子を出してくれるれいむやまりさは特に歓迎された。 おそらく和風の甘味が手軽に手に入って嬉しいのだろう。ゆっくり牧場なんてのもできる始末だ。ゆっくりに同情せざるを得ない。 他にもストレス解消用ゆっくり、ゆっくりを改造して作ったおもちゃ、爆弾を埋め込んで敵陣に侵入させるボムゆっくりなど・・・。 ゆっくりは徹底的に利用された。生ゴミ処理用コンポスト専用のゆっくりも発売された。倫理的にやばそうだが何故か問題になってはいない。 研究鬼異惨もゆっくりの新しい活用法を見つけるため日夜努力している。その証拠に、研究鬼異惨の趣味で作った畑では・・・。 「ゆぎぃぃぃぃっ!もうおうちかえるぅぅぅぅぅっ!!!」 「ざっそうさんじゃなくてやさいさんがたべたいよ・・・。」 「ゆっ!?そんなこといっちゃだめだよ!もしおにいさんにバレたら・・・!!」 「バレたら・・・何だって言うんだ・・・?」 鬼異惨の畑は全てゆっくりに仕事させている。鬼異惨がやることと言えば、ゆっくりの監視、ルールを破ったりサボったりしたゆっくりの処刑ぐらいだ。 「今文句言った奴は・・・56番と71番か・・・。」 「ゆぎぃぃぃぃっ!やべでねっ!!もうもんぐいいばぜんがらぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 「ゆるじでくだざいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!まじめにやりばずがらぁぁぁぁぁぁ!!!!」 畑のゆっくりには全て番号が付けられている。背中(?)に直接焼印でだ。鬼異惨はリモコンを取り出し、番号を入力する。 「スイッチオン!きひひひっ!!!!」 ちなみにこの笑い方は嬉しさがマックスになった時自然と出てしまう鬼異惨のクセだ。命乞いするゆっくりを見てつい笑ってしまった。 スイッチを押すと、ゆっくりの頭の上部分に着けられている装置が作動し、入力した番号のゆっくりだけ絶叫し始めた。 「ゆがががががががぁぁぁぁぁぁぁ!!!!いぢゃいっいぢゃいよぉぉぉぉぉぉぉっゆぎゃひっゆがぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「ぼうやべっゆべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!・・・ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・。」 「皆分かったね!サボリ魔や文句を言うゆっくりはこうして苦しんで死ぬんだよ!しっかり仕事してね!!!」 「ぶるぶる・・・ゆぅぅぅ・・・。」 「ゆっくりりかいしたよ・・・。」 この装置、中に鋭く細い針が仕込まれており、スイッチを押すと針が伸びてゆっくりの脳天に突き刺さるようになっている。 じわじわと針は体内に侵入し、最終的にはゆっくりの命の源である中枢餡に刺さり、そのゆっくりを死に至らせる。 この装置のおかげで大半のゆっくりは真面目に働く。だが鬼異惨の場合畑などオマケに過ぎないのだが・・・。 「さて、ゆっくりの断末魔を聞いて疲れもすっ飛んだし・・・研究の続きしなくちゃ・・・。」 ゆっくりをどう活かすかはこれからの人間に掛かっている。ゆっくりが世界の問題を解決する日も遠くないかもしれない・・・。 過去作 2517 ちぇんマー投げ 2526 ゆンペルダウン 2550 痙攣鬼異惨の日曜日 2560 分からないだらけのゆん生 このSSに感想をつける
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前 次の日、俺は親ゆっくり達のお互いを罵る罵声と、それを止めようとしている姉妹たちの叫び声で目が覚めた。 「なんでまりさがゆっくりねてるの!?れいむとあかちゃんのためにゆっくりしないでみはってくれないなんてひどいよ!!!!!」 「うるさいんだぜ!!まりさはいっしょうけんめいみはってたけどつかれちゃっただけだぜ!!」 話が見えてきたぞ、多分寝ずの番をすると言っていた親まりさがぐっすり眠っているのを朝起きた親れいむが見つけて喧嘩になったんだろう。 三日前まではあんなに仲が良かったのにね、それにしても俺も含めてお前等の子供はまだ赤ちゃんなんだから喧嘩なんて見せちゃダメだろ。 「「おかーしゃんたちゆっくちちてね!!」」 あー止めとけよ、親れいむも親まりさもイラついてるんだからそんなこと言うと。 「ぷんぷん!!!うるさいんだぜ!!!あかちゃんたちはしずかにしてるんだぜ!!!!」 「「ゆゆ!?ゆぅ~‥」」 「あかちゃんたちにどなったね!!!れいむおこったよ!!!!まりさはあかちゃんたちにゆっくりあやまってね!!!」 「みんなとってもうるさいんだぜ!!!!!まりさはおこったんだぜ!!!!」 あーあ、親同士の喧嘩に油注いじゃったよ。 親れいむも親まりさも、お互いのことを睨みあう。 俺の姉妹は可哀想に、眼に涙をためてぷるぷる震えてやがる。 十秒は経っただろうか、親まりさは巣の入口から外に出て行こうとする。 「まりさどこいくの?!れいむとあかちゃんたちにあやまってないよ!!!」 「…うるさいんだぜ!!‥しばらくそとのくうきをすってくるからそのあいだれいむたちははんせいしてるんだぜ!!」 そう言うと親まりさは外に出かけて行った。 「ゆぅえぇぇぇん!!!ゆぇぇぇん!!まりしゃおかーしゃんのばきゃ~!!!」 「ぷきゅぅぅ~!まりしゃおかーしゃんいじわるだよ!!」 「あかちゃんたちないたりおこったりしちゃゆっくりできないよ!!!まりさのことはいいからみんなでゆっくりしようね!!」 泣きだす姉れいむに膨れて怒る妹まりさ、意外な事に親れいむは地団駄を踏んだり、眼の前にいない親まりさの悪口を言うことなくゆっくりしようと言っている。 「まりさはしばらくしたらおいしいものをもってごめんなさいしにくるよ!!それまであかちゃんたちはれいむとゆっくりしようね!!」 だそうだ、親れいむが言うには親まりさは気性こそ荒く乱暴者で喧嘩は今までも沢山してきたが、 遅くとも喧嘩の次の日には、花や綺麗な小石や美味しい虫に木の実といったゆっくりできるものを持って帰ってくるそうだ、ちょっと意外だな。 その後、しばらく俺はお歌の練習という名の酷い虐待を姉妹たちと一緒に受けることになった。 「ゆぅ~♪ゆ!ゆぅぅ♪ゆぅ~ゆぅ~♪」 「「ゆぅ~♪ゆ!ゆぅぅ♪ゆぅ~ゆぅ~♪」」 「ゆーゆ!ゆゆーゆー!」 「まりしゃおねーちゃんちゃんとうたっちぇね!!じょーじゅじゃないよ!!」 「まりしゃとっちぇもへただよ!!ゆっくちまじめにうたっちぇね!!」 体はゆっくりになっても感性は人間のままだったようだ、ゆっくりの歌は生前と同じように聞いていても不快なだけだ。 それを歌えと言われてもうまく歌えるはずがない、俺のへたくそな歌に姉妹たちは耐えられなかったようださっきから俺に向かってうまく歌え、真面目に歌えと言ってくる。 「ゆ~…たしかにちょっとじょうずじゃないね!!でもまりさはれいむとまりさのあかちゃんだよ!!すぐにじょうずになるからゆっくりしてね!!すーりすーり♪」 「ゆ~まりしゃおね~しゃんだけじゅるいよ!!まりしゃもしゅーりしゅーり♪」 「れいむもしゅーりしゅり♪」 「ゆぅ~♪みんなあまえんぼうだね!!すーりすーり♪ゆっくりしてね!!」 俺は母れいむや姉妹に頬擦りされながら、この不快なスキンシップ合戦が早く終わってくれないかなと考えていた。 「とってもすっきりしたいわ!!ありすのあいがほしいゆっくりのおうちはここね!!!」 唐突に巣の入口からそんな声がした、振り向くとそこにはギラギラした血走った眼に、だらしなく開いた口から涎を垂らしているゆっくりありすが一匹いた、絶賛発情状態と言ったところか。 体は親まりさと同じくらいの大きさで親れいむより一回りほど大きい、幸いにも俺の姿は親れいむに隠れて見えていないようだ。 「ゆぅ?みたことにゃいゆっくちだね!!ゆっくちちていってね!!」 「おねーしゃんゆっくちちていってね!!」 「ゆぅ~♪とってもとかいはなあかちゃんにかわいいれいむね!!みんなありすがたっぷりすっきりさせてあげるわ!!」 親れいむの影から出てありすにニコニコ笑いながら挨拶をする馬鹿な姉や妹は放っておいて、俺はありすに見つからないように慎重に物陰に身を隠してこっそり様子をうかがう。 親れいむや姉妹のゆっくりがレイプされるのは面白そうだが、ありすにレイプされるのは御免だからね。 「ぷくくぅぅ!!あかちゃんたちおかーさんのうしろにゆっくりかくれてね!!!ゆっくりせずにいそいでね!!」 「ゆぅ?なんでおかーしゃん?」 「おかーしゃん!!ちゅっきりってなに?」 「いいからゆっくりせずにかくれてね!!ありすはゆっくりできないゆっくりなんだよ!!!」 「はぁはぁ…つんでれなのね!!!れいむかわいいわ!!!ありすとすっきりしましょうねぇぇぇぇ!!!!!」 親れいむはありすに対して体を膨らませながら威嚇するが、ありすはまるで動じていないむしろ興奮して親れいむに突撃していった。 親れいむは突撃してきたありすをゆっくりにしては軽やかともいえるステップでかわして、体当たりを仕掛ける。 「ゆぅぅぅ!!!!ゆっくりでてってね!!!!」 「びゅぅ‥つんでれはかわいいよぉぉぉ!!!!でもすなおなほうがかわいいよぉぉぉぉ!!!!!すっきりさせてすなおにしてあげるからねぇぇぇぇ!!!!!!!」 「やめてね!!れいむはありすとすっきりなんてしたくないよ!!!」 親れいむの渾身の体当たりはありすの情欲を燃え上がらせるだけだった、ゆっくり同士の喧嘩において体格や体重は、単純なテクニックやスピードよりも大きなウエイトを占める要素だ。 体格がありすより一回り小さく、素早く動けるが体重の軽い親れいむは喧嘩はからっきし苦手だった。 つまり親れいむに百戦錬磨のレイパーありすを倒すことなど不可能だった。 ありすは少し口から垂れたカスタードを舌で舐めとると、親れいむに圧し掛かって体を小刻みに振動させながら頬ずりをし始めた。 無論親愛の表しているわけでもなんでもない、親れいむをレイプしているのだ。 「ゆぁぁぁ!!!!!れいむのほっぺもっちもちのつるつるだよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」 「ゆ゛ぅぅぅぅ!!!!!!やめて!!!やめて!!!!!ぎもじわるいよ゛」 「おきゃーしゃんいやがっちぇるよ!!ゆっくちやめてね!!」 「ぷくぅぅ!!おきゃーしゃんをいじめるとれいみゅおこりゅよ!!」 体中から甘ったるい匂いのべとべとした液体をまき散らしながら、嫌がる親れいむに体をこすりつけて涎を垂らしながらぶるぶる震えている様は、こう背筋にゾクッと寒気が走る物がある。 人間だったころはありすのレイプをする姿を見て滑稽だと笑ってみていたが、ゆっくりになった身で改めて見ると恐怖と強い生理的な嫌悪感さえ感じる。 「ゆほほほほぉぉぉぉぉぉ!!!!!!れいむきもちいいよ!!!!んほぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!すっきりぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」 「やべでぇぇぇ!!!!!!でいむずっぎりじだくなぁいぃぃ!!!!!!んんんん!!!!!!!ずっぎっりぃぃぃ!!!!!!!!!」 ありすの一方的で激しい愛撫ならぬバイブは、れいむの体力をどんどん奪っていき強制的にすっきりさせ、頭に望まぬ子供を生やすことになった。 親れいむは疲れ切った体から、栄養を頭に生えたありすの子供達に吸収され見る間にやつれていく、ちょっとしたスペクタクルだ。 「ゆぅ…ゆぅぅ‥とってもくるしいよ…ゆぅぅ…まりさぁ…」 「ありすはまだまだすっきりしたりないわ!!!!そこのあかちゃんたちもありすのあいをわけてあげるわ!!!!!!!!」 「ゆぅぅ!!!!ゆっくちやめてね!!!」 「こっちにこないでね!!!!」 親れいむがありすにレイプされるのを震えながら固まって見ていた姉れいむに妹まりさは、自分達をありすが親れいむと同じ目にあわせようとしている事に気づいて必死に逃げようとした。 しかし素早く近づいたありすに圧し掛かられ、二匹仲良く動きを封じられる。 「んほぉぉぉ!!!!ろりっこかわいいよ!!!!!!ありすがはじめてになってあげるよぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 「ゆぇえ…!!くるちいよっ!!ゆっくちどいてね!!!」 「びゅぶ!!!ゆぅ…うぅ~…」 成体のありすに圧し掛かられて、妹まりさも姉れいむも苦しそうだ、特に姉れいむはありすの圧力で口からぼたぼた餡子を吐き出している。 「ゆぅぅぅ!!!!それじゃあいくよぉぉぉ!!!!!!んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」 「ぎもぢわりゅいぃぃ!!!!!!おがーしゃんだじゅげでぇっぇぇ!!!!!!」 「びゅえぇ!!ぇぇうぇええ!!!!」 「やめて…あかちゃん‥いじめ…ないでね…」 18禁レベルの顔で奇声を上げながらぶるぶる震えて粘液をまき散らすありす、粘液まみれになって泣きながらもがいている妹まりさに、体を圧迫されて液状になった餡子を吐きながら白眼を向いている姉れいむ。 そして眼の前でありすに犯し殺されそうになっている娘たちを泣きながら見つめている瀕死の親れいむ、苦しむゆっくりを見るのは最高だ俺はこの為に生きてるんだよ。 こいつ等を見ていると、俺の饅頭で出来た体が餡子の中心からほっこり暖かくなってきて、本当に安らかで穏やかな満ち足りた気分になる、あぁ~これがゆっくりするということなのか。 「んほぉぉぉ!!!!れいむもまりさもぎもぢいよぉぉ!!!!すっきりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」 「いやぁぁぁ!!!!ゆっくちできないぃぃ!!!!!ちゅっぎり!!!!!!」 「ぎゅえ!!!…えぇ!!…ぇぇ」 ありすは姉れいむと妹まりさですっきりすると二匹からどいた。 「ゆっくち…ちた‥かった‥よ…」 ありすの退いた後には真っ黒く干からびた姉れいむと、口とありすの圧力で底部が裂けて出来た傷口から餡子を流して絶命した妹まりさしか残っていなかった。 「ゆっくりきもちよかったわ!!ありすはせかいじゅうのゆっくりをすっきりさせてあげなきゃいけないからもういくね!!ありすのあかちゃんをゆっくりしたこにそだててあげてね!!」 ありすは満足そうな顔でそういうと巣の外に出て行った。 清々しいほどのヤリ捨てだな、まぁ頑張ってゆっくり達に可愛い赤ちゃんを授けまくってくれ、応援してるぜ。 「ゆぅぅ…あかちゃん…れいむのあかちゃん…」 親れいむは黒く干からびてしまった姉れいむと妹れいむの死骸の傍に、這って行こうとしてはいるようだが頭の茎に栄養を吸い取られているのでそれも叶わない。 茎に実った四匹の赤ちゃんゆっくりは全員ありすだが目を覚まして体を揺らし始めている、レイプ型出産のゆっくりありすは茎に実った赤ちゃんの成長が早い、そろそろ生まれてくるのだろう。 さてこの親れいむは絶望しきって泣いているが、俺が実の娘がまだ生きていることを知ったらどんなに喜ぶだろうか?やっぱり俺を産んでくれた大事な母親だ、親孝行してやろう。 俺は物陰から飛び出て親れいむに駆け寄ってやる。 「お母さん大丈夫?」 「ゆぅ!?まりさ!!まりさいきてたんだね!!!ゆぅぅ…しんでいったあかちゃんと‥おかあさんのぶんまでゆっくりしてね!!!!!」 親れいむは大粒の涙を流しながら体を震わせている、よほど死ぬ前に俺の生存が確認できたことがうれしかったようだ。 さて感激と安堵の涙を流している親れいむの頭の上の種違いの我が姉妹、ありす達は親れいむの感激の涙とともに茎から落ちた。 「ゆぅぅぅ!ゆっくちちていってね!!」 「ときゃいはなありしゅだよ!おかーしゃんゆっくちちてね!!」 「おねーしゃんゆっくちちてね!!」 「おかーしゃんゆっくちちてるね!!」 地面に落ちるなり俺と母親に挨拶をする妹ありす達、なかなか元気で礼儀の良い子たちじゃないか。 しかし、そんな素直な姉妹達を親れいむは嫌悪と侮蔑に満ちた目で睨みつけていたが、憔悴しきって死相の浮かんだ顔にふと暗い笑みを浮かべて俺を見るとこんなことを言ってきた。 「ゆぅ‥れいむ…ありすはみんな…ゆっくりできないこだよ…だからありすをつぶして…おかあさんに…む~しゃむしゃさせてね」 なるほどありすに奪われた体力はありすで回復しようということか、優しくて純情な赤ちゃんまりさにそんなことを頼むなんて悪い親だな、 第一それだけ衰弱してちゃ赤ありすの四匹食ったとしても、助かる可能性は二~三割だ、それなら普通は子供を助けるよな。 「ゆぅ?む~ちゃむちゃってなに?」 「ぷきゅぅ~!ありちゅはゆっくちしたこだよ!!」 「おかーしゃんおにゃかへったよ!!」 「ここはときゃいはなおうちね!!ゆっくちちゅるよ!!」 「まりさ…ゆっくりしないで…ゆぅぅ…はやくありすたちをつぶしてね」 母れいむは心底この可愛い四姉妹を嫌っているようだ、頭に生えた茎をこの四匹に与えることは絶対にないだろう、それならこの姉妹は何を食べればいいんだ? 硬いものは親が柔らかく噛み砕いたものでなければ食べられないし、目の前の親れいむは息も絶え絶え、親まりさはいつ帰ってくるかもわからない その間この可愛い妹達にお腹を空かせたまま、死んだ親れいむと寂しく過ごせというのか?姉として俺はそんな事は出来ないな。 この姉妹達は確実に親れいむに愛されていない、帰ってきた親まりさに愛してもらえるかどうかは分からないが、この世に生まれおちた瞬間を祝福されず喜ばれない、それはどれほど辛いことだろうか? その上にこの子達はお腹を空かせているのだ、心はともかく、せめてお腹だけでも満たしてやろうじゃないか。 俺は覚悟を決めると親れいむの前に立ち姉妹達に向かって、おもてなしの真心をこめてある宣言をする。 「さぁ、お食べなさい!!」 次の瞬間俺の体は二つに裂けた、不思議と痛みはなくポカポカと体が温かい。 何故唐突に俺の体が二つに裂けたかというと、妹ありす達に向かって、お食べなさい宣言をしたからだ。 お食べなさい宣言とは、ゆっくりが自らの意志で心から相手に食べてほしいと思った時に言うことで自ら命を絶ち、相手に自分を食べてゆっくりしてもらうための行為だ。 無論自己中心的なゆっくりがこの行動をとることは殆ど無く、老いて死期を迎えた飼いゆっくりや、本当に稀にだが越冬中に子供や連れ合いに自らの体を食べさせるためなど、 本当に稀にしかこの行動は起こらない、しかしその分、さぁ、お食べなさいをされてそのゆっくりを食べないことはそのゆっくりに対する最大級の侮辱となるのだ。 「ゆぅ!!!おねーしゃんがふたちゅになったよ!!ありちゅはいただきまちゅちゅるよ!」 「おねーしゃんゆっくちちたんだね!!ありしゅもゆっくちいきるよ!!」 「おたべなしゃいされたらゆっくちいただきましゅするよ!!」 「ありちゅはゆっくちおねーちゃんをたべりゅよ!!!おねーちゃん!!ゆっくちちてね!!!」 妹ありす達は俺の死に目元を潤ませながらも、自分達のために死ぬことを選んだ優しいお姉ちゃんの尊い志を汚さぬように、俺に感謝して俺の皮や餡子を食べ始めた。 まぁ、たった3日しか生きていない身だが、なかなか楽しい饅生を送れた、せいぜい味わってゆっくり食べてくれ。 「ゆゆゆゆゆゆ!!!!!????あかちゃんなにしてるのぉぉぉぉ!!!!!!!!ゆうぇぇぇぇ!!!!ゆっ~あぁぁぁっぁぁっぁああ!!!!!!!!!」 俺の後ろにいる親れいむは絶望の叫び声をあげている、背中に生温かいものがかかるこれは多分液状の餡子だ。 自分の可愛い赤ちゃんが、自ら進んでありすとの間に出来た忌わしい子共達に食われているのだ、そりゃ餡子も吐きたくなるだろうな。 最後に残ったたった一つの希望、まりさとの間に生まれた可愛い子供がゆっくり生きて大きくなる、 そんなささやかな希望さえ打ち砕かれて、口から餡子を吐きながら慟哭する、そんな死ぬ間際の親れいむの顔が見れないのが残念だ。 「むーちゃむちゃ!!とってもゆっくちできるあじだよ!!」 「まりしゃおねーしゃんゆっくちありがとね!!!」 「ありちゅはおねーちゃんをたべて!!ゆっくちちたとかいひゃになるよ!!」 「おねーちゃんはゆっくちできるよ!!ありちゅはきっととかいひゃになるからゆっくちあんちんちてね!!」 さて俺の妹達はというと、目からぽろぽろ涙を流しながらも、ゆっくり俺の餡子を飲み込んでいる。 餡子が減ってきたせいか、眼が霞んで眠気がゆっくり襲ってくる、俺はどうやら本当にこれから死ぬようだ。 それにしてもお食べなさいで死ぬのはこんなにも満ち足りた死なのか、痛みもなくただ温まった体にゆっくりと眠気が降りてきてまるで縁側で日向ぼっこをしながらまどろんでいるような気分だ。 短かったがなかなか楽しい饅生だった、しかし少しだけ心残りがある親まりさの事だ、俺は親まりさが家に帰ってきてこの光景を目の当たりにする所を見る事が出来ないのが悔しい。 家に帰ると番いと可愛いわが子達の苦悶に満ちた形相の死体を見つけるだろう、勿論家族を殺した憎いありすの子供たちも見つける。 どれ程親まりさは苦しむだろう?悲しむだろう? そして何より親まりさは妹ありす達をどうするんだろうか、怒りにまかせて踏みつぶすのか敵の子共とはいえれいむの赤ちゃんでもあると育てるのだろうか? 俺達の死体と妹ありす達を見ながら、苦しみ葛藤する親まりさを死にゆく俺はじっくり観察できないのが実に心残りだ。 さて、本当に俺は死ぬようだ、俺の記念すべきゆっくりとしての饅生一回目が終わる、かなり不純な動機とはいえ俺はこの身を妹達に食べさせた。 つまり自己犠牲の精神でゆっくりを助けたのだ、これであの閻魔様も俺の地獄行きを考え直してくれるといいんだが。 まぁ、今はそんなこと考えても意味はない、せいぜい後二回あるらしいゆっくりとしての生を虐待ゆっくりとして楽しむとするか。 俺は瞼を静かに閉じ、妹ありす達のしあわせ~の声を聞きながら意識を手放した。 「むーしゃ!!むーしゃ!!しあわせー!!」 俺が目を覚ますと、俺の下で砂糖を舐めているゆっくりれいむがいた。 死んだらすぐにゆっくりに転生するのか、なかなか面白いな。 どうやら今度の俺の体はゆっくりれいむらしい、また普通種か…やっぱりゆふらんとかきめぇ丸に生まれたかったんだが仕方ないな。 それにしてもここは台所の様だ、こいつは飼いゆっくりだったのだろうか? しかしそれにしては体が薄汚れている、嫌な予感がする。 「おい、何してるんだ貴様?」 俺の目の前に眉間に青筋の浮いた強面お兄さんがいる、明らかに怒っている。 「ゆゆ!!おにいさんここはれいむのゆっくりプレイスだよ!!!ゆっくりしていってね!!!」 お母様目の前の素敵なパンチパーマの御人を挑発なさるのは止めていただけないでしょうか? 「おうおうおう!!!!人の家荒らしといてなんじゃそりゃ!!!虐待じゃぁぁ!!!!!!!」 こっちにこないでくれ!!!!助けて愛でお兄さん!!!! BYゆっくりな人 続 このSSに感想を付ける
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※前に書いた『衣玖さんとゆっくり』の続き。と言っても前作を見るほどのものでもないです。 ※東方キャラがゆっくりを虐めてます。例えば衣玖さんとか天子とか。 ※虐殺メイン…かな。 永江衣玖は急いでいた。 数刻前、龍の言葉から衣玖は天界、いや幻想郷全体に危機が迫っていることを知った。 これはゆっくりてんこを虐めて楽しんでる場合ではない。 「総領娘様は無事でしょうか」 口には出したけど大丈夫だろう。 自分勝手で世間知らずでもその強さは本物だ。大抵の危機は自力で解決もできる。 しかし龍が伝えるほどの危機が迫っているのは確かだった。 「危機とはいったいどんな物なのでしょうか」 とにかく天界に行ってみないことには判断がつかない。 そんな訳で衣玖は急いでいた。 天界に着くとそこにはゆっくりがいた。 右を向いても左を向いてもゆっくりの群れ。 しかもそのゆっくりは全て希少種であるはずのゆっくりてんこだった。 つい癖で虐めたくなる衣玖だったが、今は別の使命がある。 てんこが大量発生した原因を探らねば。 自由に跳ねまわるてんこを空中から眺めながら飛んでいると 呆然と宙に浮いている比那名居一族のお嬢様である比那名居 天子を発見した。 「総領娘様! 一体何が起きているのです?」 衣玖が話しかけると天子はあからさまに不機嫌そうな顔をしながら答える。 「私も知りたいぐらいだわ。 何なのこいつら」 「ゆっくりですね。それも総領娘様タイプの」 「それは分かる。でもなんで増えるのか分からないのよ」 「増える…? 増える瞬間を見たのですか?」 てんこの生殖方法というか子てんこを産み出す方法は衣玖も知っていた。 てんこは虐められるのが好きなゆっくりで傷めつけられると快感を覚える性質を持っている。 虐めてくれそうな相手を見つけると「ゆっくりいじめてね!」と迫り、無視すれば相手がいらつく行為をして気を引こうとする。 そして虐め抜かれて命を失ったてんこは茎を生やし、赤ちゃんてんこを実らすのだ。 「ちなみにどんな時に増えましたか?」 衣玖は原因が身近に居そうな空気を感じながらも天子に訪ねた。 「信じられないかもしれないけど…」 天子の話をまとめるとこういうことだ。 数十匹のてんこが天界の花畑を食い荒かしていたのを見た天子が得意の地震攻撃で追い払おうとしたところ、 地震の揺れで発情したてんこが子作りを始めたとのこと。 天子は突然の性行為にあっけにとられ、その間にてんこは増えてしまったという訳だ。 「それにしては多すぎません?」 天界の花畑には至る所にてんこがいる。見える範囲だけで数えても千は下るまい。 数十匹のてんこが繁殖したにしても多すぎる。 「まだ話は終わりじゃないの」 天子はその増えたてんこ達を地符「不譲土壌の剣」により潰そうとしたらしい。 地形を隆起させて周囲を攻撃するスペルカードでれいむ種やまりさ種などの通常のゆっくりが受ければ皮がちぎれて死ぬだろう。 だがてんこは打撃に強かったらしく数匹が隆起した岩に体を貫かれて死んだぐらいで他多数はほぼノーダメージだったらしい。 そして痛がりも苦しみもせず、 「きもぢぃぃぃぃ!!もっどいじめでぇぇぇ」 と叫んでさらなる攻めをおねだりしてくる。 イラついた天子は何度かスペルを発動しててんこを殺したのだが、その頭には大量の茎と赤ちゃんてんこが実っていた。 「それでこの惨状ですか」 「それだけじゃないのよ。どこから現れたのか「ゆっくりいじめてね!」なんて言いながらこいつらが集まってきたの」 「はぁ…結局この異変の原因は総領娘様でしたか」 「む…何よ結局って! ただの龍宮の使いのくせに生意気ね」 「とにかくここで見ていても仕方ありませんね。一気に殲滅しましょう」 「そうね。あんな変な生き物にこれ以上天界の土は踏ませるわけにはいかないね」 天子と衣玖はその体に霊力を漲らせる。 「さぁ、行くわよ衣玖。あんな下等生物など根絶やしにするわよ!」 一方その頃―― 大量発生し、天界から溢れたてんこは各地で暴れていた。 ある森の中では、ゆっくり魔理沙の家にてんこが侵入していた。 まりさの家には体の大きい母まりさと子まりさ数匹が住んでいて、 ちょうど食事を終えてゆっくりしていたところだった。 「ここはまりさの家だよ! ゆっくりでていってね!!」 「これからゆっくりおひるねたいむなんだよ! くうきよんでね!!」 「しょうだよ! ゆっくちできにゃいならでていっちぇね!!」 しかしてんこは追い出そうとするまりさの敵意を別のものとして受け取っていた。 「いじめてくれるの!? ゆっくりいじめてね!!」 「ゆ"っ!? な、なんなのぜ!?」 戸惑う母まりさにてんこは擦り寄っていく。 「ゆっくりいじめてね!!」 「ならゆっくりいじめるよ!!」 相手が虐めてと言うなら虐めてやろう。 何せ自分たちのおうちに侵入してきた敵なのだから躊躇する理由もない。 母まりさはその大きな体をてんこにぶちかます。 母体のゆっくりの体当たりとなると子ゆっくり程度なら一撃で潰れて死ぬ。 成体ゆっくりでも数回受ければ餡子を吐き出し息絶えるだろう。 しかしてんこは異様に打たれ強いことを母まりさは知らなかった。 「いだいぃぃぃぃ!! もっどじでぇぇー!!」 「ゆゆっ!?」 「おかーしゃんのたいあたりがきかないよ!?」 「きっとうんがよかっただけだよ!」 「おかーさんやっちゃえ!!」 「そうだよね! こんどこそゆっくりしね!!」 再び母まりさは体当たりで攻撃を仕掛ける。今度は吹き飛んだてんこを壁に押し付けてプレスする。 「ゅ"…ゅ"ぅぅ…」 母まりさの巨体と木の壁に挟まれて圧迫されて苦しそうな声をあげるてんこ。 (勝った…!) だが次の瞬間、母まりさはてんこのタフさを知る。 「ゅ"…ゅ"…ぎもぢ…い"ぃ"ぃ"! もっど…じでぇ…!」 「ゆ"っ!?」 母まりさの押し潰しは効いてないどころか先ほどよりもずっと気持ちよさそうにしていたのである。 バッとてんこから離れて思わぬ強敵に警戒する母まりさ。 その様子を見たてんこはどうしたのだろうと不思議に思う。 「どうしたの? もっといじめてぇ!!」 「ゅぐっ! おかーしゃんこわいよ!!」 「なんなのこいつ! ゆっくりできないよ!!」 子ゆっくり達はお母さんの体当たりで死なないゆっくりに恐れを抱き始めた。 母まりさもまた、最大の必殺技である押し潰しの効かない相手に手を出せずにいた。 「ゆっくりいじめてね! いじめてね!!」 期待に満ちた目で母まりさを見つめながらぴょんぴょん跳ねる。 しかし虐めてくれないことが分かるとてんこは次の行動に移った。 「ゆ! それはまりさたちのしょくりょうだよ!! かってにたべないでね!!」 「むーしゃ、むーしゃ、ひそうてん~♪」 次々とまりさ家族の集めた食糧を食べていくてんこだが、これはお腹が減ったからではない。 まりさを怒らせて虐めてもらうために食べていた。 「もうゆるさないよ!! ゆっくりしないですぐしね!!!」 自分が頑張って集めた食糧を目の前で奪われるのをこれ以上許せるわけがない。 母まりさはてんこへの攻撃を再開する。 「しね! しね! しねしねしねぇぇ!!!」 てんこを吹き飛ばした母まりさはてんこに圧し掛かると、ズンズンと跳ねててんこを潰そうとする。 しかしてんこは潰される痛み、苦しみに身悶えしていた。もちろん快感で。 「ああああああっ! もっといじめてぇぇぇぇ!!!」 「ゆゆゆゆゆ!! なんで!? なんでしなないのぉぉぉぉ!!!」 気味が悪くなって母まりさは再び離れた。 「どうしたの? もっといじめてくれないの??」 「ゆ! こっちにこないでね!!」 ジリジリとにじり寄るてんこに後ずさりして離れる母まりさ。 母まりさの背中には子まりさ達が隠れていた。 「なんでにげるの? もっといじめてね!!」 「こないでぇ!! しょくりょうはぜんぶあげるからぁぁ!!」 「ゆぶぇぇぇ!!」 「おかーしゃんぐるじぃぃぃ!!!」 母まりさは近寄るてんこから離れようとさらに下がる。 しかし背中に隠れていた子供たちは母まりさによって潰されようとしていた。 「ハァハァ、ゆっくりいじめてぇぇぇ…!!」 「いやぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!! ゆっぐりざぜでぇぇぇぇ!!!」 森に母まりさの悲鳴と子まりさの潰れた音が響いた。 そしてまた一方ではれみりゃがてんこを食していた。 鋭い牙はてんこの弾力溢れる肌を突き破り、れみりゃはそこから桃風味の餡子を吸いだしていく。 「うー、うー、うまうま♪」 「あああああっ!! すわれるぅぅぅ♪」 てんこはれみりゃに中身を吸われてるというのにヘブン状態だった。 れみりゃもまた、初めて食べる桃の香りのする餡子の味を楽しんでいた。 しばらくするとてんこは皮だけの存在となってしまった。 さすがに中身が無いので子供は実らないようだ。 「うー、もっとほしいどぉ~。しゃくや~もってきでぇ~♪」 れみりゃは奇妙なダンスでおかわりを希望する。 「ゆっくりいじめてね!」 「うー♪」 れみりゃの願いが通じたのか、てんこが姿を現した。 「がおー、たべちゃうぞ~♪」 よちよち歩きでてんこに近づいていく。 その時他のてんこが姿を現した。今度は1匹ではなく10匹ほどいる。 「「「「いじめてくれるよかんがするよ!! ゆっくりいじめてね!!」」」」 「うー♪ いっぱいいるどぉ~♪ ぜんぶれみりゃのものだどぉ~♪」 てんこの言ってることは理解していない。れみりゃにとっては美味しい獲物が増えただけ。そう思っていた。 「いじめてね!」 「だめだよ! わたしをいじめてね!!」 「ちがうわ! わたしこそいじめられるのにふさわしいわ!!」 れみりゃに10匹のてんこが殺到した。 「う、うー? うあ"ー!!?」 瞬く間に押し倒されるれみりゃ。 「はなぜーうぶっ!!」 大口を開けて叫ぼうとしたれみりゃの口に1匹のてんこが体を突っ込んだ。 「わたしにかみついてね!!」 「ずるい! つぎはわたしがかみつかれるからね!!」 「だめよ! つぎはわたしがいじめられるの!!」 「んがー、んがー!!」 獲物のまさかの反撃に涙を流して恐怖するれみりゃ。 てんこに押し倒されるれみりゃの周りにはさらに複数のてんこが順番待ちしていた。 話は戻って天界。 「さぁ、行くわよ衣玖。あんな下等生物など根絶やしにするわよ!」 「はい総領娘様」 天子と衣玖は天界の花畑の中心へ降り立つと、 その二人の姿に気づいたてんこ集団は一斉に叫ぶ。 「「「「「「「「おねえさんいじめてくれるひと? ゆっくりいじめてね!!!」」」」」」」」 「っ…! うるさいわね」 イラついた天子は緋想の剣を地面に突き刺して地殻変動を起こそうとする。 「総領娘様お待ちを。まずは私が辺りを一掃します」 「…そうね。まずはまかせるわ」 衣玖雷で焼き尽くせば子を実らせずに死ぬだろうし効率も良さそうだ。 天子はそう考えて緋想の剣を収めた。 衣玖は宙に浮かんで辺りを見渡すとお気に入りのポーズで構える。 通称サタデーナイトフィーバーだ。 天を指した指の先に大きな雷球が生成されていく。 (なるべく花畑には被害がないようにしないと。標的はゆっくりてんこ) 衣玖は目に見えるてんこ全てをターゲットに定める。 「さぁ、いきますよ!」 衣玖がそう宣言した次の瞬間、指の先に出来た半径10mはあるだろう大きな雷球から無数の線が地表へと走っていく。 「ゆ"ぐっ!」「ぶへっ」「げぇっ!」「ゆっ!?」「ぉひっ」「ぶばっ」 「ゅふぇ!」「げしょっ!」「ゅ"っ」「ひぎぃ」「あぁん!」「ぎゃぶ!」 「ちょっと衣玖!? きゃっ!」 「ぎゃぼっ!」「よぎゅっ!」「ぶげっ!」「ゅぐぉっ!!」「ひでぶっ!!」 妖気のこもった高圧電流が周囲のてんこ達に到達すると、 様々な断末魔と共にてんこ達が黒焦げになって朽ち果てた。 「総領娘様。まだ生き残ってるゆっくりがいるはずです。止めを刺しに行きましょう…って何で焼けてるんです?」 「あんたのせいでしょ! 私も狙うなんていい度胸ね」 「あぁ~、すみません。似てるのでつい…」 「まったく。後でお仕置きだから覚えておきなさいよ!」 天子はそれだけ言い残すと生き残ってるてんこを排除するために飛んでいく。 「お仕置きですか。それは楽しみですね、ふふ」 衣玖は小さく呟き軽く微笑むと天子とは逆方向へ飛んでいき、残るてんこを潰しに行く。 「要石ドリル! 天地開闢プレス!!!」 様々な技で天子はてんこを潰していく。 瞬殺すれば子は実らない。地震や半端な攻撃はしないようにだけ気をつける。 仲間を瞬殺されるとてんこ達は不満をあらわにした。 「なんでゆっくりいじめてくれないの!」 「そうよ! ゆっくりいじめてね!!」 「はやくちゃんといじめてね!!」 「おばさんゆっくりできないのね!!」 「わたしたちのまねしたぼうししてるくせにね!!」 「真似はお前たちだ! もう怒った。本気で行くわ!」 「全人類の緋想天」(Lunatic) 周囲の気質を緋想の剣に凝縮して一気に解き放つ超大技。 知らない人はかめはめ波を思い浮かべればいいだろう。 天界の地形が変わることも厭わず全人類の緋想天で周囲を吹き飛ばしていく。 てんこは緋想の剣から解き放たれる波動に飲み込まれると次の瞬間には灰と化した。 それを見た仲間のてんこは死なない程度に味わってみたいと全人類の緋想天に自ら飛び込んでくるので天子としては楽だった。 だがてんこがタフとは言っても所詮はゆっくり。天子最強のスペルに瞬間でも耐えきれる訳がなく瞬殺されていく。 一分後には辺りは焼け野原と化していた。 動くものなど何一つない。 「ふっふっふ、饅頭ごときが調子に乗るからこうなるのよ」 勝ち誇った天子には輝く笑顔が浮かんでいたが、すぐに笑えなくなった。 「「「「「「「いじめられるときいてやってきたよ!!!」」」」」」」 虐めてくれる人がいると聞いてきたのか、はたまた感じ取ったのか大量のてんこが天子の周りに集まってきていた。 「あーもう! なんなのよ! こうなったらとことん殺してやるわ!!!」 ある森の中、まりさに「いじめてぇぇぇ」と迫っていたてんこは近くの山の上から何かを感じ取っていた。 「いじめてくれるにおいがするよ! ごめんねまりさ! こんどまたいじめてね!!」 「ゅ…ゆ…」 母まりさは精神的に消耗していたが自分が助かったことに安堵した。 でも何か背中がヌルヌルする。そういえば自分の子供はどこいったのだろう…? また、れみりゃに圧し掛かっていたてんこ達も虐めてくれる気配を山の上に感じ取っていた。 「またこんどいじめてねれみりゃ! てんこ達はやまのうえにいくよ!」 「ぅ、うー?」 てんこ達が突如立ち去っていったことを不思議に思ったけどようやく助かった。 早く屋敷に戻ってぷっでぃんを貰おう。 そう思って動こうとしたれみりゃだったが、手足は潰れてしばらく動けそうになかった。 「うあ"ー! いだいいだいぃぃ!!! しゃくやだっすげでぇぇ!!!」 手足が潰れていることに気づいたれみりゃは痛みに泣き叫び、助けを求めた。 しかしその場に現れたのはしゃくやではなく、甘い匂いに誘われてきた野犬だった。 さて、天界でてんこ殲滅を図る衣玖はというと… 「いきますよ。天突「ギガドリルブレイク」!!」 衣玖の纏う緋色の羽衣を螺旋状に腕に巻きつけ、さらに放電させつつ相手を貫く龍魚ドリルのでっかいバージョンだ。 巨大ドリルを右手に装備し、てんこの群れに突撃していく。 「ゆぅぉぉぉぉ!! いじめられるよかん!!!」 「きてえぇぇぇぇ!! ゆっくりいじめてねぇぇぇ!!!」 しかし衣玖が通り過ぎた跡に残るのは炭と化したてんこ。 最後にドリルに貫かれたてんこはドーナツのように顔の中心に巨大な穴を開けて生涯を終えた。 「ああああ! なんでゆっくりいじめないのぉぉぉぉぉ!!」 「ゆっくりいじめてよぉぉ!!!」 やはり瞬殺されるのは嫌らしい。じわじわと痛めつけられるのは好きだというのに。 「ふふ、最後に残った一匹はゆっくりと苛めてあげますよ」 「ゆ! わたしをさいごにのこしてね!!」 「わたしだよ! ゆっくりいじめられるのはわたしをおいてほかにはないわ!!」 「いじめられるのはわたし! ほかのてんこはしゅんさつされてね!!」 自分が最後に生き残ろうと他の仲間を盾にしようとするてんこ。 その構図はまりさ種に多くみられるものだが、てんこの場合はその理由が虐められるためなのだから不思議だ。 「最後に残りたいなら必死に逃げることですね。次は鬼ごっこで遊びましょう」 そう言うと衣玖はいつものポーズでスペルカードを発動する。 棘符「雷雲棘魚」 大電流を自分の体に纏う攻防一体の必殺スペルだ。 触れれば間違いなく黒焦げになって死ぬ。 「さぁ必死に逃げ回ってくださいね」 どこまでも穏やかで黒い笑みを浮かべながら衣玖はてんこの群れへと寄っていく。 「こ、こっちにこないでね!!」 「あっちのてんこをしゅんさつしてね!!!」 必死で逃げるてんこだったがその動きは遅く、衣玖にすぐ追いつかれてしまう。 「こ、こないで! こな…ああああああああっ♪」 追いつかれたてんこは恐怖と歓喜の混じった悲鳴をあげて炭になった。 その悲鳴を聞いたてんこは逃げる足をピタリと止めた。 なんて気持ちよさそうな声だろう。 あのおねーさんに触れたら死ぬけど気持ちよさそうだ。 ゆっくり虐められるためには最後まで生き延びなきゃ、でも味わってみたい。 てんこ達に何とも不思議な葛藤が生まれ、一匹…そしてまた一匹と雷雲棘魚を発動中の衣玖へ飛び込んでいく。 「あああああっ♪」 「し、しあわせえぇぇぇぇぇ!!」 「すっきりぃぃぃぃぃ」 「さいこぉ~♪」 その断末魔はどれも甘美なもので、それが呼び水となって周りにいたてんこが次々と衣玖へ飛びついて行く。 「ふふふっ、なんてバカなんでしょう。一瞬の快楽のために死を選ぶなんて…!」 「あぁぁぁぁっ! もっとバカっていってぇぇ!!」 「いっぱいいじめてえぇぇぇぇ!!!」 こうなると確変フィーバー入れ食い状態だ。 数百のてんこが衣玖の周りで二通りの昇天を味わっていく。 「いいんですか? 今死んでしまうとゆっくり虐めてあげませんよ?」 「!! で、でもぉぉぉ!」 「おねえさんにいまの責めもあじわいたいよぉぉぉぉお!!!」 涙を流して目の前の快感と未来の快楽に揺れ動くてんこの心だが、てんこはゆっくり種。目の前の誘惑には勝てなかった。 「でもやっぱりいまいじめてほしいぃぃぃぃ!!!」 「くろこげにさせてえぇぇぇぇ!!!」 それから何分経っただろうか。 すでに衣玖の周りにはてんこが数えるほどしかいなくなっていた。 衣玖は雷雲棘魚を解除すると衣のドリルで残ったてんこを次々と貫いていく。 「つ、つぎはわたしをつらぬいてぇぇぇ!!」 「わたしもつきさしてぇぇぇ!!!」 残ったてんこは衣玖の持ち出した約束、残った一匹をゆっくり虐めるということを知らない。 約束を聞いたてんこはすでに炭になっている。 「貴方で最後ですね」 「ゆっくりいじめてね!!」 「はい♪」 グシャ 最後のてんこは脳天から衣玖の衣で貫かれ、悦の表情で絶命した。 「あら、あんたも終わったみたいね」 「総領娘様。確かに全滅させましたよ」 そしてこれで天界の危機は去っただろう。あとは龍に報告だけすれば終わりだ。 「では、私はこれで」 「ええ、今日は助かったわ。またね衣玖」 「はい。また来ます総領娘様。…掃除の終わるころに」 「…え"?」 「それではっ」 衣玖は空気を読んで足早に龍の世界に帰って行った。 残されたのは天子と大量のてんこの死骸。 天界の美しかった花畑はてんこ集団に荒らされたこと、天子と衣玖が暴れたことでひどい有様になっていた。 桃の香りもてんこの死体から発せられるムワッとした不快な匂いが漂っている。 てんこの数が多かっただけに掃除は大変だろう。 「あーもう! 衣玖のばかー!!」 数日後 衣玖が天子に会いに行った時に問答無用で勝負を挑まれたのは言うまでもない。 終 by ゆっくりしたい人 なんだかカオス。酒飲んだノリで書いた結果がこれだよ! このSSに感想を付ける
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「幽々子さまー、ただいま戻りましたー」 静かな日本邸宅に少女の声が響く。 ここは白玉楼。冥界の大食いお嬢こと、西行寺幽々子の住処だ。 で、買い物籠をぶら下げた少女は魂魄妖夢。ここ、白玉楼の庭師である。 庭師兼剣術指南役兼主婦、とも言う。 「幽々子さまー、どこですかー。おやつを買ってきましたよー」 超☆広い白玉楼だが、「おやつ」の声を聞けば幽々子はすぐに現れる…普段は。 「幽々子さまー、どこですかー?今日は新商品のぬーぼーって言うお菓子ですよー?」 ここまで言って妖夢は首をかしげる。 「おかしいなあ。いつもなら『ただいま』の時点で飛んでくるのに。お昼寝中なのかな?」 そんな妖夢の背後に忍び寄る一つの影。妖夢は気付かない! 影はふわふわと近づいていき、白魚のような指で妖夢のうなじをつついっ、と撫でた。 「ひゃあっ?!」 あられもない声を上げて、買い物籠を放り出してその場にへたり込む。 顔を真っ赤にして振り返ると、そこには… 「幽々子さま!」 お察しの通り、幽々子が立って、いや、浮いていた。 右手に持った扇子で口元を隠すお得意のポーズで笑っている。 「私の気配に気付けないなんて、まだまだね、妖夢。そんなことだから鬼に未熟者なんていわれるのよ?」 「うう、不覚です…。でも幽々子さま、みょんなところ触らないでくださ…ん?」 言いかけて気付く。幽々子に抱かれたドマンジュウ。ゆっくりとよばれる変な生き物?だ。 だが、妖夢はゆっくりを見るのははじめてだった。さしものゆっくりも冥界までは来れないのだろう。 死んでもゆっくりにまた転生するし。 「これが…ゆっくり…私に似てますね。」 このゆっくりはゆっくりようむ。妖夢に似てるから、ゆっくり妖夢。安易と言えば安易なネーミングである。 「ええ。妖夢そっくりでしょう?さっき紫が来て『面白いもの見つけたから』って置いて行ったのよ。」 「…あの方は…」 いつも寝てばかりいるくせに、こういう悪戯は好きなんだから、と頭を抱えた。 「幽々子さま、それ、どうするつもりですか?」 「んー、そうね、とりあえずお茶にしようかしら?」 「幽々子さま、きいてまs」 「ちーんぽっ!」 突然ゆっくりが叫んだ。 「ん゛なっ?!」 顔を真っ赤にして絶句する妖夢。 「あらあら」 例のポーズで微笑む幽々子。 「ちーんぽっ!」 もっかい叫ぶゆっくりようむ。 「ちーんぽっ!!!」 さらに大きな声で叫ぶゆっくりようむ。視線はさっき妖夢が落とした買い物籠から覗く野菜に向けられている。 どうやらお腹が空いているらしい、が、妖夢と幽々子はそんなことには気付いていなかった。 「幽々子さま…」 俯いて肩をプルプル震わせながら、搾り出すように声を出す。 「その卑猥な言葉を発する物体を、どうなさるおつもりですか?」 「んー、妖夢はどうしたい?」 涙目になりながら、きっと幽々子を見つめる。 「刀の錆にしたいです!!」 自分と似た顔をした物体が卑猥な言葉を発するのに耐え切れないのだろう。妖夢、乙女である。 「だめよ」 さっくり断られる。 「何故ですか?!」 「この程度のことで平静を失うようでは、まだまだよ。妖夢、刀のように冷えた心を持ちなさい。その修行のために、このゆっくりは白玉楼に置きます」 きっぱり言い切る。真面目な事を言っているようだが、扇子で隠した口元はしっかり笑っている。からかって楽しんでいるのだ。 「幽々子さま、楽しんでません?」 ちょっと考え込んだ妖夢だが、主人の意図をあっさり見破った。もっともらしいことを言ってからかうのは日常茶飯事なのだ。 「あら、もう気がついたの?」 つまらなそうに言う。 「幽々子さまが扇子で口元を隠して何かおっしゃるときは大抵楽しんでいるときですから。」 幽々子はお手上げ、のポーズを取った。 ゆっくりが床に落ちて「ゆっ!!」と抗議の声を上げたが、二人とも聞いていない。 「妖夢ったら、昔はもっと素直で可愛らしかったのに、変な知恵をつけて…」 よよよ、と下手な泣き真似をする。 「それはもう、幽々子さまと紫さまに鍛えられましたから。」 暇な幽々子と、人の悪い紫にとって、素直な妖夢はいいおもちゃだ。毎日のようにからかわれていれば少しは慣れるだろう。 「素直で可愛かった頃の妖夢はもういない…悲しいわ…」 下手なお芝居はまだ続いている。 「幽々子さま…お芝居はもういいですから、お茶にしましょう。今日は新商品の…?!」 言いながら買い物籠を見た妖夢の顔が凍った。 ゆっくりが籠に顔を突っ込んでむーしゃむーしゃしていたからだ。 「…」 幽々子の笑顔も凍った。幽々子にとって、おやつはご飯の次に大事なものなのだ。 あわてて妖夢が籠からゆっくりを引っこ抜く。 「ちーんぽっ?!」 食事の邪魔をされたゆっくりが抗議の声を上げる。食べかすが飛び散る。新商品、ぬーぼーの食べかすが。 「…あ。新商品…」 妖夢はそっと、幽々子の顔を見る。笑顔だ。笑顔のままだ。 「あ、あのー?幽々子さま…?」 おそるおそる呼びかけても反応はない。もう一度呼びかける。 「幽々子さまー…?」 幽々子は笑顔のまま扇子をどこからともなくもう一本取り出しす。 死に誘う程度の能力。本気で切れたらしい。たかがお菓子で、と思うなかれ。幽々子にとっては命よりも大切なものなのだ。 「ゆ、幽々子さまっ?!」 切迫した声で叫ぶ。下手をしたら自分まで巻き込まれるのだから当然だ。慌てて傍の部屋に逃げ込む。それでも足りずに押し入れに飛び込む。 …布団に頭を突っ込んで震えることしばし。 「妖夢ー?」 幽々子の呼ぶ声が聞こえたので、恐る恐る出て行くと、そこには… 「…あれ?生きてる?」 元気にお菓子をむーしゃむーしゃするゆっくりの姿があった。 「幽々子さま、殺さなかったのですか?」 んー、と幽々子は首を捻る。 「確かに殺したはずだったんだけど…何故か死なないみたいなのよ」 しばし考え込んだようだが、幽々子は「ま、いいでしょ」と呟いた。 「よく考えたら、あっさり死に誘ってはつまらない。死んだら苦しみも感じない。残酷に苦しんでもらいましょう。ね、妖夢?」 いい笑顔で恐ろしいことを言い切った。 「は、はあ…」 いくら何でも自分と似た顔のものがなぶられのは見たくないなー、と思った。しかし。 「ちーんぽっ!おなかいっぱいだよ!おねーさんたち、ゆっくりできるひと?ちーんぽ!」 とか言って擦り寄ってくるのを見て、一瞬でその考えは吹き飛んだ。 「殺りましょう、幽々子さま」 リボンを掴み上げて言う。あ、こいつのリボン、私のと完全に同じだ、と気がつく。余計に怒りを煽る。 「ちーんぽっ!おろしてくれないとゆっくりできないよ!!!」 二人で顔を見合わせる。 「だそうですが。」 「そうね。とりあえず黙らせて」 「わかりました」 言うが早いか抜くが早いか。楼観剣でゆっくりの舌は細切りにされた。 「…!!!!?!」 悲鳴を上げようにもあげられないゆっくり。ただ涙だけが一気にこぼれた。 「何か言いたそうにしてるわよ?」 「どうせまた、ち…えっと、卑猥な言葉を言おうとしたんでしょう。」 「妖夢、今何か言いかけなかった?」 「気のせいです」 「そうかしら?」 「気のせいです!!」 などと和やかな会話をしながら庭に降り、ゆっくりを目の前にある池に放り込む。 「??!!?!!」 「妖夢、私のやりたいことがよくわかったわね。」 「それはもう、長いことお仕えしてますから」 「まあ、うれしいわ…よよよ」 「…そんな泣き真似はやめてください…」 「?!!??!」 必死で這い上がろうとするゆっくりを10フィート棒で池に叩き落しながら話し続ける。 ゆっくりの方を見なくても的確に押し返したり沈めたりできるのはさすが妖夢といったところ。 地面にたどり着いては足?払いで叩き落され、浮かび上がったと思ったら池の底まで沈められる。 水面に顔を出せば目を突かれる、水中に逃げては呼吸が出来ない。涙と鼻水と池の水がごっちゃになる。 ゆっくりの顔がだんだん紫に染まって行く。 「………」 ゆっくりの意識が途切れるその瞬間を見計らったように、網で掬い上げられる。 「?!!?!!!」 息も絶え絶え、抗議しようにも声がだせないゆっくり。 「あらら、こんなに唇が紫になって。寒かったのかしら?」 「顔全体も紫ですが。きっと寒かったのでしょう。ちょうど焚き火がありますから、暖まってもらいましょう」 言うや否や、いつの間にか用意されていた焚き火の中に放り込まれた。 「!!!?!」 熱い。もちろん熱い。 しかし火の中から逃げ出そうとするたび、10フィート棒でおし戻される。 「!!!?!?!」 繰り返すことしばし。辺りに焼き饅頭の匂いが漂い出した。 「いい匂いねえ、妖夢」 「確かにいい匂いですが、食欲は湧きません…」 「人里じゃ食べるらしいわよ?」 「自分と同じ顔してるものは食べたくないです。」 「それが人情かしらね」 叩かれても叩かれても熱さに暴れるゆっくり。ゆっくりが暴れまわったせいで火は消えた。 だが、二人の胸に宿った怒りの炎はまだ消えていなかった。 「レア、くらいかしら」 「タタキじゃないですか。殴りましたし」 「どちらにせよ、次は食べやすい大きさに、ね。」 火傷で息も出来ないゆっくりの前に妖夢が立つ。刀の柄に手を掛けた。 空気を切り裂く音のみが聞こえ、餡子のついた刀を懐紙で拭いをかける。 ゆっくりを襲っていた火傷の痛みが治まる。 「♪………!!?!」 ほっとしたのも束の間、全身を皮を剥がれたかのような痛みが襲う。 妖夢が器用に皮だけを切り落としたのだ。 「…ちょっと気持ち悪いですね。」 「そうかしら。おいしそうに見えるけど?」 痛みで動くことも出来ないゆっくりの目に、自分に向かって手を伸ばす幽々子の姿が映る。 ぱくっ。 皮を切られた痛みに、さらに食いちぎられた痛みが加わる。 ゆっくりは発狂寸前だった。あまりの痛みに気絶しても、すぐに新たな痛みで強制的に目を覚まされる。 声も上げられない、涙ももう蒸発して枯れ果てた。身動きも、逃げることすらできない。 一口、一口食べられるたびに痛みは増していく。しかし、それと同時に、意識も薄くなっていった。 ゆっくりには死だけが救いだった。しかし、幽々子は味わうように、少しづつ食べていく。 30分後、餡を半分食べられたとき、ゆっくりはようやく死ねた。 「ふう、ごちそうさま」 「幽々子さま。口元に餡子が…それにしても…」 幽々子のために懐紙を渡しながら妖夢はため息を吐いた。 「いくら怒ったとはいえ、恐ろしい殺し方をしてしまいました…」 幽々子はまじめな顔になって妖夢を諭す。 「そうよ。怒りは人の心を曇らせる。妖夢、刀のように冷たい平常心を保ちなさい。」 妖夢も真剣な顔で答える。 「はい、怒りとは恐ろしいものです。身にしみました」 「ところで妖夢、今の私には怒りより恐ろしいものがあるんだけど、わかるかしら?」 どこからともなく扇子を取り出し、口元に当てて微笑む幽々子。 「…それは恐ろしいものではなく、怖いものではないのですか?」 ため息とともに答える妖夢。 「すぐにお茶をお持ちします。少々お待ちください。」 「お茶請けは戸棚のお煎餅がいいわ」 「はいはい」 ちなみにその日、白玉楼は晩御飯抜きだった。ゆっくりを虐めるのに時間をかけすぎてもう一度買い物に行く時間がなかったためだ。 ゆっくりを虐めた結果がこれだよ!
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fuku0692.txtの便乗犯&中途半端虐待。 「ゆっくりレティの帽子を奪って逃走劇」ものを考えていたのに、ゆっくりした結果がこれだよ!! ゆっくりについて、面白いことを聞いた。 いわく、飾りがないゆっくりは苛められる。 いわく、死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。 いわく、ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。 へぇー。そーなのかー。 というわけで、加工所で働いているおじさんに土下座した。「ゆっくりさせてください!」 ダメだった。 しかたがないので、朝から所長に直訴した。それでもダメだったので色々やった。具体的にはテロ。 執念が認められ、どうにかこうにか、実験させてもらうことになった。 場所は加工場から離れた実験用地域の一角。 結界が張られているため、妖怪や野良れみりゃ、野良犬などの襲撃による想定外もない。 さっそくゆっくり霊夢一家の住処を発見した。手のひら大の子れいむが10匹、直径20cmぐらいの親れいむの11匹家族。 ゆっくり一家が寝静まるまでじっと待ち、チャレンジ開始。 寝ている子れいむからリボンを全て奪い、1匹に結び付ける。 うむ、ゴージャス。 完成したゴージャス子れいむ、略してゴれいむを、用意していた透明な箱にいれて、準備完了。 満足して箱を抱きかかえ、巣の近くで横になる。 興奮してなかなか寝付けなかった。さてうまくいくといいが・・。 翌朝、「「「ゆっくりしていってね!」」」の声で起こされる。 声でけえなおい。野生でもこんな声なのか・・? 抱きかかえたゴれいむも箱の中で目が覚めて、 「ゆっくりしていってね!」 はいはい、ゆっくりゆっくり。 「おじさんだーれー?ゆっくり出来る人?」 はいはい、ゆっくりしろモーニング! 「ゆっ!なーにこれー?ゆっ!ゆっ!」 箱で暴れ始めた。ああ面倒だ。ゴれいむは脇に放置して、巣の中の様子を伺うことにした。 連鎖して声が響く。 「ゆっくりしていってね」「ゆっくりしていってね」「ゆっ」「ゆゆゆっ!」 ざわざわと騒ぎになる。ニヤニヤが止まらない。 「りぼんがないよっ!」「ゆっ!れいむのりぼんがない!」 「へんなのー!」「ゆ゛っ!!れいむもないよー!」「え゛ーっ!」 ・・・なるほど。鏡とか知らないから、リボンが無いのに気がつくのが遅いのか・・。 遅れて親れいむが反応する。 「みんなのりぼんがないよー!」 巻き起こる悲鳴。 「「「「う゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛お゛があ゛ざあ゛ん゛!!!」」」」 しかし、それを聞いても親れいむは困惑顔だ。 「・・・本当にれいむのれいむ??」 ・・リボンが無くなると識別できなくなるというのは本当だったか・・。 それにしても・・・・なんて表情だ。 こわいこわい、とか言う変わった突然変異を見せてもらったことあるが、あれより顔がでかくて眉間にしわがよってる分腹立たしい。グーパンチしたい。 「「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」」」 あーあ、ショックだろーなー。かわいそうに。 腹筋が捻れてきたので、ゴれいむを箱から取り出す。 叫びが聞こえていたのだろう。すっかり怯えている。 「ほら、早くお母さんところでゆっくりしていってね!」 箱から出してやると、一目散に巣に戻っていった。 「お゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん」 「ゆっ!れいむー!」 それに気がつく親れいむと・・・ 「あ゛あ゛あ゛・・・ゆゆっ!!りぼん!!りぼんいっぱい!!りぼん!!りぼん!!!」 リボン無しの子れいむ達。 「ゆゆっ!?だれ!?ゆっくりできないこはでていってね!」 親れいむが識別できないのに、ゴれいむに認識できるわけがないか。 初めて見るリボン無しに一瞬怯むゴれいむ。慌てて親れいむの元に跳ねていく。 「おかーさん!しらないこたちがいるよ!そとにへんなひともいるよ!これじゃゆっくりできないよおおおおおおおお!!」 「れいむ!れいむ!」 親もゴれいむのことはわかるらしい・・。リボンの数は気にならないのか? そう思っている矢先、 「りぼん・・」「れいむのりぼん・・・」「りぼん・・・」 いい感じに出来上がっていく子れいむ。 そこにゴれいむが、いい感じに火種を投げ込んだ。 「ゆっ?・・・りぼんないこはしらないよ!ゆっくりでていってね!」 「「「「がえ゛じで!がえ゛じで!ゆ゛っ゛ぐり゛り゛ぼん゛がえ゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!」」」」 ゴれいむに襲い掛かっていく子れいむ達。 「や゛め゛っぐっげぶ、や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」 すごく・・・フルボッコです。 そして動く親れいむ。 「ゆっくりできないこはしね!」 「ぎゅっ!」「げぶっ!」 2匹踏み潰された。容赦ないな。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛がえ゛ぜ!お゛があ゛ざん゛を゛がえ゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 ますますヒートアップする子れいむ。 だがこのままでは、親+ゴれいむ側の圧勝だろう。 ・・・そうはいくものか。 「ゆっくりしろモーニングゥアアアアアアアアア!!!」 「「「ゆ゛っ!」」」」 全力で怒号をあげて巣の中に突進。親れいむを両手でがっちりホールドする。 「おじさんだれ!?ここはれいむのおうちだよ!!ゆっくりできないからさっさとでていってね!」 ゴれいむ・・・おにいさんは君にだけは言われたくなかったよ。 「おにいさんはゆっくりマン!君たちをあの悪いゆっくりから助けにきた!」 と、子れいむ達に語りかける。 「君達の親は私がゆっくりさせておくから、早くアイツからリボンを奪い取るんだ!」 子れいむ達の顔に理解の色が広がっていく。 「ありがとう!おにいさん!」「ゆっくりしね!」「りぼんとるこははやくゆっくりしんでね!」 そして再開する死刑執行。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛れ゛い゛む゛の゛!!れ゛い゛む゛の゛こ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 親れいむうっせ!ゴれいむが・・・あ、食われてる。朝飯まだだったなそういえば・・。 そんな食事風景が終るまで親れいむをがっちりホールドしておいた。落ち着いたのを見計らって巣から引っこ抜き、透明箱に閉じ込める。まだ声も出さずに泣いている。その様を見てテンションあがってきた。 さて・・・こっからが本番よ。 「やったね君たち!」 子れいむ達に話かける。 「「「ありがとうおにいさん!ゆっくりできたよ!」」」 「おかーさんはどうしたの?」 「おかーさんはゆっくりさせているよ!さて、リボンつけてあげるね!」 「「「わー、ありがとうおにいさん!!」」」 いわく、死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。 「はい、みんなつけ終わったよ!」 「ありがとーおにーさん!」 ・・・しばらく待ってたが、こいつら同士では殺しあいは発生しないようだ。 ガセネタか・・・と、親れいむを箱から出して巣の中に戻してみる。 まだ泣いてた。ほーら、可愛い子れいむたちだよ。 「ゆっ!!!」 ビグンッ!と親れいむの体が激しくうごめいた。ゴれいむが殺されたときですら、ここまでの衝撃は無かったというのに。 ワクワクしながら、手を離して見守っていると、子れいむ達が寄ってきた。 「おかーさんもとどーりだよ!」「れいむたちだよ!」「わるいこはゆっくりさせたよ!!」「ゆっくりしていってね!」 和気藹々としている。 突然、親れいむが跳ねる。子れいむが4匹下敷きになった。 「ゆっくりしね!」 「ぎゅっ!」「ゲベッ!」「ギャベぶっ!」「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」 突然の凶行に残った4匹は言葉も無い。 「ゆっくりしね!!」 ストンピングが続く・・もはや4匹は原型も残っていない。 親れいむがこっちを振り向いた。平時の表情となんら代わりが無いが・・・ 「しね!!!」 動けなかった2匹はそのまま下敷きに、残り2匹は慌てて巣から抜け出そうとする。 ・・ギリギリ、逃げる2匹をどうにか捕まえることが出来た。 「しねしねしねしね!ゆっくりしね!」「お゛がぁざあ゛あ゛あ゛・・・」「ゆ゛っぐり゛・・・じだ・・・」 振り返ると、着実に押しつぶし作業が進んでいた。うわさ通りとはいえ、これは一体どういうメカニズムなのか・・。 巣から抜け出し、1匹を透明箱に入れてもう1匹とともに隠れた。 しばらく巣で暴れまわる音が響き・・それが止むと、親れいむが中から這い出てきた。 ぐったりしている。あれだけ暴れれば当然か・・。 そして、透明な箱に気がついた。 瞬時にして親れいむの形相が鬼のように変わり、全力で透明な箱に体当たりを行う。 体が箱にめり込む。こぼれおちる餡子をものともせず、箱を踏みつけにかかる。 「シネ!ゴボッ!シネッ!シネッ!シネッ・・・」 殆ど中身を出し切って、ようやく親れいむは力尽きた。箱にベッタリ張り付いている。 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「うわっ?しまった!!」 あまりのことに呆然としてしまい、子れいむを取り逃がした。 慌てて後を追ったが・・・・・ゆっくりまりさの家族に遭遇した子れいむを見つけた。・・・これは間に合わない。 せんべいになるまで10秒かからなかった。 もったいないことをした・・・。 「「「すっきりー!」」」」 ・・・・??ゆっくりまりさがつぶやいた言葉に疑問を抱いた。え?すっきりなの?? 「ねえ君たち?」「おじさんだーれー?ゆっくりできないならあっちいってね!」 冷静に、用意していた袋にゆっくりまりさ一家を全部詰め込んで2、3回叩きつけるのに、10分はかからなかったと思う。 「ねえ君たち?」「「「う゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」」」」 落ち着いて、1匹小さいゆっくりまりさを口の中に入れて甘噛みした。もちろん、顔が見えるようにだ。 「や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 吐き出して告げてやる。 「ゆっくりする?」 「「「ゆ、ゆっくりするよ!」」」 一番デカイゆっくりまりさを取り出し、おせんべいになった子れいむを見せて質問する。 「なんで、アレを潰した?」 「なんかいらいあらするからだよ!ゆっくりできないこはしんでね!」 いらいら・・・そうか。 さっそく、まりさの帽子を奪い取った。 「あああああああかえしてええええええええええ!!」 聞く耳もたずに、潰された子れいむからリボンを取り出し、結んでやる。 「やめてやめてやめてああああああああああ!!」 そしておもむろに袋の中のゆっくりまりさを開放する。 そして始まるフルボッコ。 20分ぐらいかかった。親まりさは善戦したとだけ言っておこう。 なるほど・・・デカさとか親とか子は関係ないか・・・メモメモ。 「「「すっきりー!」」」」 ・・・手元に残っている親まりさの帽子を、生き残っているうちで1番目でかいまりさとトレードしてみた。 「帽子おっきー!」「おかあさんのぼうしだー!」「いいなー!」 なにも起きない。生きているうちに奪うのはアリなのか。これは不思議だ。 魔理沙一家に別れを告げ、親れいむの元まで戻って透明な箱の中を見てみると、 最後の子れいむも死んでいた。 箱ごと加工場に持って帰り、調べてもらったところ、死因はストレスらしい。驚くほど餡子が甘くなっていた。 ・・・まだ加工場での実験日数はある。餡子を食しつつ次の実験方法を考える。 いわく、ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。 つづくかもしれない。 ニア ゆっくりいじめ系167 ゆっくり飾りシャッフル
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「ゆっくり避妊ありす」 市場で買い物を済ませ、荷物を持って家へと続く道をひた走る。 というのも、家には飼っているゆっくりれいむとゆっくりまりさが待っているのだ。 最初は「ここはれいむのおうちだよ」などと神経を逆撫でする言動にずいぶん苛立ったものだが、飴と鞭で うまくしつけてやれば、何とか飼えないこともない。 程度を加減して苛めれば、いい感じにストレス発散になるから、なかなか有益な生物だ。 家までもう少し、というところで僕はあるものを見つけた。 「ゆ!!ゆっくりしていってね!!」 僕を目にするや否や、本能に従ってお決まりの台詞を吐く。 そいつは、いわゆる“ゆっくりありす”だった。 金髪にヘアバンドが目印で、どちらかというと珍しい部類のゆっくりだ。 そいつはダンボールの中に入れられていて、うまくはまっていて自力では出ることができないらしい。 そして、そのダンボールには『拾ってください』と筆文字で書いてある。 どうやらこいつ、誰かに飼われていたが捨てられたらしいな。 「おにいさん!!ありすをゆっくりたすけてね!!そしたらとくべつにゆっくりしてあげてもいいよ!!」 この癇に障る喋り方も、きっと捨てられた原因のひとつだろう。 確かに、普通の人間の感覚ならこの言動はイラっとくる。人によっては殺意すら覚えるだろう。 だが、僕は違う。僕にとってゆっくりに対する殺意など存在しない。そこにあるのは、ただゆっくりを虐待 して得られる恍惚感だ。 「あぁわかった、助けてあげるよ」 「ゆ!!ありがとうね!!とかいはのありすが、とくべつにゆっくりしてあげるよ!!」 都会派気取りの台詞を聞き流し、僕は家に向かうのは止めて別の道へと進む。 こいつを飼ってやることに、異存はない。しかし、このまま連れて帰ることはできない。 なぜなら、ゆっくりありすは発情すると他のことには目もくれず、他のゆっくりと交尾を始めるからだ。 交尾って言い方は生易しいな。いわゆるレイプである。 レイプされたゆっくりは、成長が不十分であれば当然蔓を生やした後朽ち果ててしまう。 僕のかわいいれいむやまりさが、こんなクズゆっくりに殺されてたまるか。 ということで、僕は永遠亭の女医にゆっくりありすの不妊治療…ではなく避妊治療をお願いすることにした のだ。 治療はたったの5分で済んだ。 ありすの両頬に親指をねじ込んで、ぐいぐいこね回すだけ。 皮を突き破り、餡子に至った指の振動に、ありすは悲鳴を上げていた。 「ゆぎゃあああああああ!!!いだい、いだいよおおおぼぼぼぼぼぼぼ!!!」 その後、傷に何か特別な薬を塗ると、傷はたちまち塞がってしまい、 「ゆううううう、すっきりー!」 と、まるで交尾の直後のように清々しい表情を見せたゆっくりありす。 僕は受付のウサギに治療費を支払うと、ありすを抱えて今度こそ帰路についた。 「ゆ!!おにいさんのおうちで、ゆっくりしてあげるね!!ゆっくりかんしゃしてね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり(笑)」 適当に相槌を打つ。ゆっくりを飼うコツ、それはゆっくりの発言を真に受けず、ゆっくり受け流すことだ。 そうすることで、無駄なストレスを溜めずにゆっくりたちと長きに渡って付き合い、虐待することができる。 最近それができないやつが多くて困るよ。カルシウム足りないんじゃないのか?って思う。 いつもより45分遅れて、自宅に到着した。 玄関の扉を開けると、その音を聞いてかれいむとまりさがピョンピョン跳ねてくる。 「ゆゆっ!!おかえりなさい!!ゆっくりまってたよ!!」 「おなかすいたよ!!ゆっくりごはんもってきてね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり(笑)」 餌をねだって僕を見上げる二匹……視界に入るのは、僕が抱えているもう一匹のゆっくりだ。 「ゆゆっ!?そのこはだあれ?ゆっくりできるこ?」 「ゆっくりできないなら、まりさたちのおうちからでていってね!!」 顔が見えていないから、こいつが誰なのかわかっていないらしい。 僕はありすの顔が二匹に見えるように、向きを変えてやった。 その瞬間、二匹の顔色が変わる。 「ゆぎゅ!?ありす!?」 「ゆっくりでてってね!!ありすとはゆっくりできないよ!!」 ある程度成長してから捕まえた二匹だから、ゆっくりありすの危険性はよく知っているらしい。 同じゆっくりであるにも関わらず『ゆっくりできない』と拒否し始めた。 「大丈夫大丈夫、こいつとすっきりしても、死なないから」 「ゆ!?」 ありすと交尾をしたら、よほど成長したゆっくりでないかぎり朽ち果てて死んでしまう。 それが他種のゆっくりの常識だ。 だが、このありすは避妊治療を施したから、交尾をしても赤ちゃんはうまれないし、朽ちることもない。 僕はそう説明をしたのだが、ゆっくりありすがどれだけ危険か今までの人生(ゆっくり生)で学んできた二 匹は、なかなかそれを信じようとしない。 「だめだよ、ありすとはゆっくりできないよ!!ありすとゆっくりするとしんじゃうんだよ!!」 「そんなことないよ!!とかいはのありすが、とくべつにゆっくりさせてあげるね!!」 僕の腕から飛び降りたありすは、さっそくゆっくりれいむに引っ付く。 頬を摺り寄せるのは、交尾の始まりの合図だ。 振動を与えられて、頬を赤らめるれいむだが、生存本能のほうがまだ勝っているらしくありすを拒絶する。 「ゆ゛!!ゆっくりはなれてね!!ゆっくりどっかいってね!!」 「れいむうううううっぅぅぅぅ!!そんなおこったところもかわいいいい゛い゛い゛い゛!!!!」 一度スイッチの入ったありすは、どのゆっくりにも止められない。 れいむに圧し掛かって、交尾時特有の粘液を纏い、さらにはばら撒き始める。 おいおい、ここを掃除するの誰だと思ってるんだよ… 本来ならここでありすをブチまけている所だが、避妊の成果を見たいので放っておく。 「ゆゆっゆゆゆゆゆっゆゆゆゆ、やめでよお゛お゛お゛お゛お゛お゛!! れいむっ!!れいむじんじゃうよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」 「おじしゃん!!れいむをたすけてあげt、ぐぎゃああああおあおあおあおあおあおあお!!!???」 「おじさんじゃなくて、おにいさんだ、と言ったら何度分かるんだ、この低脳饅頭が(笑)」 まりさをぐいぐい踏みつけるのもほどほどにして、ありすとれいむの交尾を観察する。 しばらくすると… 「ゆううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ、すっきりー♪」 「あ…がぅ…ゆぎゅ……」 満足げなありすとは対照的に、満身創痍のれいむ。 通常なら、れいむはこの後朽ち果てると同時に新たな生命を生み出すはずなのだが… 肝心の蔓が生えてこない。ありすの方も、不思議がっている。そして… 「ぎゅ……ゆ…ゆ?…………すっきりー♪」 あろうことか、れいむの方まですっきりしてしまった。 子供はできない、朽ち果てることもない…どうやら、永遠亭の女医の避妊治療は成功らしい。 が、今度はありすの方が不満そうだ。今までとは勝手が違うから…ではなく、生まれてきた子供も犯すつも りだったらしい。 改めて考えると、とんでもない性欲魔人だな。 とにかく、これでれいむやまりさが死んでしまう心配はないから、安心して3匹まとめて飼えるな。 あれから2週間。虐待しつつ生かしつつ、僕のゆっくりライフに変化はない。 変化があるとすれば、それは3匹のゆっくりにとってだろう。 最初、交尾しても朽ち果てないことに、れいむとまりさは喜んでいた。 一方ありすは、交尾しても相手が赤ちゃんを生み出さないことを不思議がっていた。 「ゆ?どうしてありすのあかちゃんができないの!?」 そのせいか、ありすが一方的に交尾を始めることが多くなっていった。 やはり赤ちゃんができてこその交尾なのだろう。 「まままままりさあああああ!!いっしょにあぎゃちゃんづぐろうねええええええ!!!!」 「いぎゃがががががががやめでええええええええ、すっきりー♪」 それでも、相手がすっきりするだけで、赤ちゃんはできない。 自分もすっきりしているからいいのだが、なんとなく満足できないゆっくりありす。 3日もすると、その異変はありすの精神をゆっくり蝕み始める。 「どおじてええええええ!!??どおじてありずのあがちゃんできないのおおお!!??」 交尾の最中も、ありすの声は快感を伴っておらず、どちらかというと必死に子孫を残そうと頑張っているよ うに見えた。 でも、どんなに頑張っても交尾相手がすっきりするだけ、自分がすっきりするだけ。 どんなに交尾を重ねようとも、相手の頭から蔓が生えることはない。赤ちゃんができることはない。 「どおじでえええええ!!!あがぢゃんづぐりだいよおおおおお!!!!!」 数十回の交尾の末、疲れ果てたありすは部屋の隅っこでひとり喚き始めた。 すっきりはできても、本能として『子孫を残す』という点での充実が得られないからだろう。 しかし『すっきりー♪』と交尾の余韻に浸るれいむとまりさは、そんなのお構いなしである。 9日目。ありすにとっての交尾の目的は“すっきりすること”から“あかちゃんをつくること”に完全に置 き換わっていた。 「ゆぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅあがじゃんんんんんありずのあがぢゃんんんん!!!!」 「ゆふふふふふうふんほおおおおおおおおおおおおおお!!!すっきりー♪」 それでも、相手はすっきりするだけ。そのうち、ありすは自分がまったくすっきりできていないことに気づ いた。 赤ちゃんができない。自分もすっきりできない。そんな交尾に何の意味があるのか。 そこまで考えて、人間並みの知能があれば交尾をすることを止めるのだが、そこはやはりゆっくり。 交尾を止めることをせず、自分が満足するまで交尾を重ねることになる。 「あががががががあがぢゃんんんん!!!!ありずのあがぢゃんんんんんんっがおおおおおおあああ!!」 「ゆううううううううすっきりー♪んああああっほほほほほほほほすっきりー♪」 「いぎゃああああああああどおじでええええあがぢゃんできないのほおおお!! どぼじでずっぎっりできないのぼぼぼぼおおおおおおお!!!!!!?????」 交尾を終えるたびに、満足げに去っていくれいむとまりさ。 れいむとまりさは、自分の愛を正面から受け止めてくれている。ありすはそう思っている。 でも、ありすは全然満足できない。赤ちゃんができない。すっきりできない。 どうして?どうして赤ちゃんができないの?ちゃんとすっきりできるようにしてるのに。 どうして?どうしてすっきりできないの?今まではちゃんとすっきりできたのに。 どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして? どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして? 交尾のたびにすっきりよりも遥かに苦痛が上回る。 交尾のたびに流す涙で、頬の皮はすでにくしゃくしゃだ。 交尾のたびに、満足して去っていくれいむたち。 自分はいったいなんなのだろう。 れいむとまりさをすっきりさせたくて、こんなことをしてるんじゃないのに。 相手のことはどうでもよくて、自分さえすっきりできて、相手から赤ちゃんが生まれればそれでいいのに。 どうして“それ”ができないの?今まで簡単にできた“それ”がどうしてできないの? どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして? どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして? そんな疑問と、すっきりできないお預け感が、ありすの精神をえぐり続ける。 14日目。ありすに劇的な変化が訪れる。 「ゆぎゃ嗚呼ああ☆あべおっろ♪あおおああ$おおあありいり!!???」 「んほほほほおおおおおおおお!!!すっきりー♪」 声にならない叫びを上げて、れいむたちをレイプするありす。 いつもどおり、すっきりー♪な結果に至るだろうと思っているれいむたちは、その身をありすに任せる。 実際、れいむたちはすっきりするだけで、朽ちることはまったくない。 永遠亭の女医の避妊治療は、恐ろしいまでに完璧だった。 やはりダメだ。すっきりできないし、赤ちゃんもできない。 気が狂いそうになりながら…いや、既に狂ってしまったありすは、立て続けにれいむたちを犯し続ける。 この頃になると、もう一匹ずつ犯すのが面倒になって、3Pというマニアックなプレイが主なものとなってい た。 やはりダメだ。 「どおじでええええええええええええ!!!???」 どんなにあがいても、赤ちゃんができない。 「どおじでありずのあがぢゃんができないのおおおおおおおおおおおおお!!??」 どんなにあがいても、すっきりできない。 「ずっぎりできないのいやあああなのおおおおあああにいいいいいい!!??」 すっきりしようとすればするほど、すっきりできない悶々とした気持ちだけが蓄積していく。 ありすは、限界に達しようとしていた。そして… ブチッ! ありすの中から、何かが切れる音が聞こえた。 「ん頬青ああおあえrbなえt@あ@tbな@てんb@おあえtgじゃ!!!」 ありすが、壊れた。 中身のカスタードクリームを吐き出すことはしないが、涙・涎・粘液等など、ゆっくりが体の構造上出すこ とのできる、ありとあらゆる体液をブチまけながら、出鱈目に辺りを飛び跳ねている。 おいおい、ここを掃除するの誰だと思ってるんだよ… 本来ならここでありすをブチまけている所だが、もっと観察したいので放っておく。 「ゆ!?ありす!!ゆっくりいていってね!!」 「んびゃえおt8913ろじゃtbt-あ0あぽあ11111」 さすがに心配になったれいむたちの呼びかけにも、ありすは反応を示さない。 これは…完全に逝ったな。そう思ってありすを取り上げようとするが、その前にれいむたちがそれを阻んだ。 「おにいさん!!ゆっくりまってね!!!!」 「これからまりさたちが、ありすといっしょにすっきりするからね!!」 あぁ、そういうことね。 れいむたちにとって、ありすは“すっきりする”ための道具と化していたのだ。 どんなに交尾を重ねても朽ちない、赤ちゃんができない。 そうとなれば、あとはすっきりするための交尾を重ねるだけ。 人間で言えば“セフレ”のようなものだ。 でも、れいむたちはありすが今までまったくすっきりできなかったことに、気づいていないのだろうか? 「んんんほほほほほほおおおおおおおお、すっきりー♪」 「あががががががんぎょおおおおおおおおおおおお、すっきりー♪」 早々にフィニッシュする二匹。そして、次のありすの絶叫に、僕は自分の耳を疑った。 「和えが得荻は@絵t@q034うtq90う4t09q@0ぴっ………すっきりー♪」 今…何といった?すっきりって言ったのか? 確かに言った。ここ2週間すっきりできなかったありすが、“すっきりー♪”と言ったのだ。 次の瞬間、さらに驚くべき現象を僕は目にすることになる。 ありすの頭から、蔓が数本生えてきたのだ。 次々と実がなっていき、それは小さな小さなゆっくりの姿へと変わっていく。 そうか、やっと理解できた。れいむやまりさが赤ちゃんを作る代わりに、ありすが赤ちゃんを作ったのだ。 すっきりできない原因を排除したことで、やっとすっきりすることができたありす。 その満足そうな表情ときたら、今にも天に昇っていきそうなものだった。 だがおかしい、永遠亭の女医の避妊治療は完璧のはず。 これで赤ちゃんが生まれては、避妊治療の意味がない。 そう思った僕だったが、次のありすの行動を見て安心する。 意識を取り戻したありすは、再び発狂して辺りを飛び跳ね始める。 その衝撃で蔓はすべて切断され、赤ちゃんゆっくりは成長過程で切り離されてしまったのだ。 まだ緑色の、未熟児……これでは、「ゆっくりちていってにぇ!」などとかわいい声を発することもできな いだろう。 一方のありすは、と言うと… 「亜rht34hpつぷはいうhrぎうあg費4おあrぎおあrぎいありおおいあろいj!!!!」 一度キレてしまった“モノ”は元に戻らないらしい。 ありすは二度と“とかいは”の知性を取り戻すことはなく… 「ゆぎゅ……ゆっ………ゆっ……ふっ……」 時折、視界に入ったり音が聞こえたときだけ、ぴくっと反応するだけの…物言わぬゆっくりとなった。 れいむとまりさは、ありすのことなどすっかり忘れて別の部屋で遊んでいる。 毎日死なない程度に虐待してやり恐怖を植えつけてあるから、物を壊すことはないだろう。 「ゆ………ゆ………」 そこらへんの雑草を口に突っ込むと、反射的に咀嚼を始めるありす。 2週間前の、都会派気取りのありすの面影は……どこにもない。 …でも。 2週間まったくすっきりできなかったありすにとって、これこそが最高のすっきりなのかもしれない… あとがき 虐待スレ9の551あたりを読んで、勢いで書いてみたよ!! 酒の勢いって怖いね!! これを入れて5作ぐらい書いたけど、全部酒の勢いで書いたよ!! それじゃみんな、すっきりしていってね!! 作:避妊ありすの人